奇手の居反りを得意とする西幕下8枚目の宇良(23=木瀬)が、最大の強敵を倒して5勝目を挙げた。東幕下筆頭の翔天狼(33=藤島)を引き落としで破った。
相手の翔天狼は、最高位が東前頭2枚目と、今まで宇良が対戦した中で最上位の力士。加えて横綱白鵬にも勝った実績を持っていた。「怖かったです。兄弟子からもすごい強いと聞いていたんで。ユーチューブで研究しようと思ったら、一番最初に見た動画が横綱に勝った動画だった。怖かった」。宇良は、素直に取組前の恐怖心を明かした。
それでも、土俵では思い切ってぶつかった。立ち合いで低く当たると、すかさず左へ動いて難敵を仕留めた。「立ち合いはかちあげで来るか、張ってくるか分からなかった。とりあえず、よく相手を見ることを意識していました。うまく反応できたかな」。恐怖心を吹き飛ばして強敵を倒し、ひと息ついた。
次の春場所で新十両昇進となれば、初土俵から史上最速に並ぶ所要6場所(幕下付け出しを除く)での昇進となる。既に1敗している宇良にとって、状況は厳しいが、昇進の可能性がゼロになったわけじゃない。残りは、あと1番。全力を尽くす。