ダイコーと契約打ち切り次々
「カレーハウスCoCo壱番屋」が廃棄した冷凍カツを不正転売した産廃業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)に対し、食品処分の委託契約を打ち切る動きが食品メーカーで相次いでいる。各社は「疑念が生じた以上、ダイコーとは取引しない」と説明。今後は食材を砕いてから廃棄を委託することを検討するメーカーもある。
粉砕後の委託、検討のメーカーも
ダイコーは1978年に設立。愛知県によると、96年から廃棄物処分を始めた。2014年度は県内外の企業から計約2200トンの食品処理を受託した。全量を堆肥(たいひ)化したと県に報告していたが、横流しの事実が次々と発覚している。
包装不備などで出荷できないアメやチョコレートの廃棄を委託してきた大手菓子メーカーは近く、取引を打ち切る。担当者は「別の業者に頼むにしても、廃棄品を砕くなどして転売できないようにしたい」と話す。
大手乳業メーカーは08年以前から、不要になったクリームなど廃液の処理をダイコーに委託してきた。「廃液の飼料化を頼める限られた業者だった」のが理由だ。賞味期限の切れたプリンは容器から出して持ち込んでおり、転売された可能性は低いとみるが、広報担当者は「信頼関係でやっているので、取引は中止する」と話した。
大手飲料メーカーは、ダイコーに対して抜き打ち調査をしてきたため「ごまかしはできなかったはず」というが、疑念はぬぐい切れず、委託はやめる方針。
広報担当者は「こういう事件があると、食品業界全体の信用が下がってしまう。業界として何らかの防止策を検討しないといけない」と話した。
壱番屋(愛知県一宮市)は既にダイコーとの契約打ち切りを決定し、新たな委託先を選定中だ。【町田結子、駒木智一、梶原遊】