朝6時の気温 3.2度(東京)快晴、1月の16日目。
1月中旬ど真ん中です。
週明けの月曜日は、曇りのち雨か雪という予報。雪は降らないとして、かなり「冷たい雨」になることは間違いなさそう。
シンクゼロマガジンの記事コンテンツのメンテナンスが終了したので、今日から再開します。
調整できてよかった。
重複したまま掲載を続けていたら、自分も混乱していた。
取材のときに一人出版社のビジネスカードを渡すので、よく電子出版の話になるのですが、電子書籍を売っている研究者の方って増えたと思う。
まぁ、これだけ電子出版の敷居が下がれば、普段パソコンを使っている人なら、障害は何もないわけで、躊躇する理由はないですよね。
先日、お話を伺った技術者の方は、Kindleが国内でサービスを開始する2011年以前から、個人で販売していたけど、その頃と比較して、現在は少なくとも10倍は売れるようになったとのこと。
特に、2013年以降。
スマートフォンの急速な普及と、デジタルコンテンツ・ストアのユーザビリティが格段に向上しましたから、今まで売れなかったものでも、当然売れてくる。
無料アプリをストアからダウンロードするという「体験」を経て、有料コンテンツでも購入することに「慣れてきた」人が、確実に増えてますから。
研究者や技術者の方々が出している電子書籍って、いわゆる研究レポートの類で、けっこう必要としている人がいるので、学会の会場で販売されているとか「買いやすい」環境が提供されていれば、そこそこ売れるのです。
しかも、価格を3,000円前後に設定しているので、10人買ってくれたら3万の売り上げです。
研究レポートって、企業やシンクタンクが販売しているものは1万円以上するものが多い。
個人が出すからと「超低価格」にしても、やっぱり3,000円くらいです。
1,000円以下にしちゃうと、安すぎて売れないという。
「そんな安いもの、信用ならん」ということで。
意外と、品質連想が影響してるんですね。
大衆を対象とした低価格帯の本と、専門家を対象とした高価格帯の本では、アプローチがまったく異なります。
高価格帯の本の特徴は以下のような感じです。
・特定の専門分野を対象とし、徹底的に絞られている
・マーケットはかなり小さい
・需要は高い
・本の価格は高い
・業界の外で宣伝する必要がない(SNSさえ必要ない)
・リアルな場で売れる
2011年以前は、「売れるはずのもの」もセルフだと、なかなか売れなかった。
でも、現在は、「売れるもの(特定の分野絞られた需要が高いもの)」は、ちゃんと売れるようになってきた。
この時点で、電子出版は売れない、というのは「紙の書籍よりは売れない」であって、確実に売れるビジネスに成長しているといえます。
ただ、当然ですが、100人が挑戦して100人成功するはずがないので、個々の能力やそのまわりにどんな人がいるかで決まってきます。
同じレベルのコンテンツなら、ずっと一人で仕事している人より、毎日さまざまな分野の人と会いまくっている人の方が、「一言、発した後」の反応がまったく違いますので。
同業者で、大先輩の岩田さんの一人出版社が、年商1億2000万円なのは、国文学系の専門書に特化し、「高価格帯の本」だから。
しかも、こまめに学会に出向き、対面販売しているからです。
私の一人出版社が危機的状況になっても、まだ死なないのは、やっぱり「習得本」が主力なので。
需要の高い本をつくれば、売れる時代になったことは間違いなく、そういう意味では電子出版は十分ビジネスになり得るといえます。
だって、それまでは同じ品質のコンテンツでも、まったく売れなかったのですから。
小説や漫画などの大衆向けは、プロ中のプロが大プロモーションを展開しても、コケる世界ですから、どんなにテクノロジーが進化しても、売れるかどうかわからない博打。
5年後も、10年後も変わらないでしょう。
でも、ロマンがあるよね。
だから私も長期プロジェクトでは、娯楽に挑戦するわけですし。
以前、文芸がなかなか売れなくて、止む無く、グラビア写真集の専門ブランドを立ち上げ、その利益で、文芸の方を支えているパブリッシャーの話を書きましたが、そういうやり方もあります。
文芸でヒット作を出すまで、グラビアの利益で賄っていくのです。
さすがに、アダルトまでは手がけられないけど、売れるジャンルで収益の基盤をつくってから、本流に戻すという方法ですね。
広げすぎると、どちらも中途半端で失敗しますが、出版社をつぶさないための戦略であり、企業としては真っ当な考え方だと思います。
そういえば、岩田さんの一人出版社(岩田書院)って、今年で23年目ですね、すごいな。
一人の出版社で、23年続くって想像できないけど、私も頑張ります。
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筆者:
Creative Edge School Books
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