バラク・オバマ米大統領が任期最後の国政演説(State of the Union)で、先日4回目の核実験を実施した北朝鮮に関し一言も触れなかったことをめぐり、共和党は一斉に懸念を表明した。
上院外交委員会のコリー・ガードナー東アジア小委員長は13日に声明で「オバマ大統領は『米国の外交政策はイスラム国(IS)やアルカイダの脅威に焦点を当てるべきだが、そこで終わってはならない』と言ったが、核実験を先日強行した北朝鮮には全く言及しなかった。平壌のマニアック(maniac=狂気じみた人。金正恩〈キム・ジョンウン〉朝鮮労働党第1書記のこと)に対するオバマ政権の『戦略的忍耐』政策は失敗した。オバマ大統領は議会と協力し、米国が北朝鮮の度重なる挑発行為を容認しないという意思を全世界に表明すべきだ」と述べた。
また、下院外交委員会のエド・ロイス委員長は、オバマ大統領が北朝鮮に対し強力な警告メッセージを発する機会を逃したと批判した。ロイス氏は北朝鮮に対する制裁を強化する法案発議を主導、オバマ大統領の上下院合同演説直前に418対2という圧倒的な賛成多数で通過させた。同氏は「議会が事実上、満場一致で処理した対北朝鮮制裁法案を、オバマ大統領が国政演説で支持することにより、北朝鮮の核の脅威に対応することができたのに、いい機会を逃してしまった」と述べた。
大統領選挙で共和党からの候補者指名を目指すジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上に「もっと安全になったって? ISは成長中だし、北朝鮮は核実験をしたし、シリアは混乱に陥っている。大統領は別の世界で暮らしている」という書き込みを掲載した。