北朝鮮は12日から3日連続で韓国の首都圏周辺にビラを散布した。韓国軍もこれに対抗するため、北朝鮮に向けてビラを散布する準備をすでに完了したが、実際に散布に乗り出した場合、停戦協定に違反する恐れがあることから、今のところ実行には移していない。
韓国軍が14日に明らかにしたところによると、北朝鮮は前日13日の夜と14日未明に臨津江の北側から風船を使って韓国にビラを飛ばしてきた。12日と13日未明に北朝鮮が風船を飛ばしたのと同じ場所からだ。この日、京畿道高陽市一山東区では、北朝鮮から飛来した宣伝用のビラが固まりで車に落下し、屋根が破損している。
これに対抗するため、韓国軍も北朝鮮にビラを散布する準備をすでに完了している。韓国軍関係者は「われわれは北朝鮮よりも風船をより遠くに飛ばし、正確な位置からビラをまくことができる」とした上で「あとは司令官の決断を待つだけだ」と述べた。韓国国防部(省に相当)のキム・ミンソク報道官も「停戦協定にも敵の攻撃に相応する自衛権が認められているので、問題にはならないはずだ」との見方を示した。しかし実際は国連軍司令部軍事停戦委員会が韓国軍に「停戦協定違反」と通告してくる恐れがあるため、韓国軍も今はまだ思いとどまっているようだ。上記の韓国軍関係者も「停戦委員会は南北の双方に対して相手への敵対的な行動を禁じている」「軍としてビラをまいた場合、非武装地帯の緊張を高めるとの理由で(停戦委が)反対する可能性が高い」とコメントした。