「学問の自由より人格権」 朴裕河教授に賠償命令=「帝国の慰安婦」裁判 

「慰安婦は売春婦」は名誉毀損と認定
刑事裁判に影響も

 判決はまた、「慰安婦が軍人の戦争遂行を助けた愛国的存在」「慰安婦は軍人と同士的関係にあった」「性の提供は日本帝国に対する愛国を意味する」などといった朴教授の主観的意見22カ所について、慰安婦被害者の人格権を侵害したと指摘した。判決は「愛国」「協力」「同志」「戦争遂行」といった表現は若干の誇張という域を超え、慰安婦が被害者だという事実自体をねじ曲げていると判断した。

 朴教授は裁判の過程で憲法が保障する学問と表現の自由を掲げ、「本は日本を適切に批判するためのものであって、慰安婦問題には反論も含め、あらゆる事実を客観的に検証する姿勢が必要だ」と主張した。しかし、判決は「歴史的人物が生存している場合には人格権の保護が学問の自由に対する保護よりも相対的に重視される」と朴教授の主張を退けた。学問の自由が持つ限界を超え、他人の人格権を侵害したと判断した格好だ。

 今回の損害賠償訴訟とは別に、ソウル東部地検は昨年11月、朴教授は名誉毀損の罪でも在宅起訴しており、20日に初公判が開かれる。今回の判決は刑事裁判にも影響を与えるとみられる。

 慰安婦被害者のイ・オクソンさん(89)らは判決後に記者会見し、「裁判所は事件の重みと慰安婦被害者が受けた精神的ショックを十分に認めて判決を下したと思う」と歓迎した。しかし、一部には学者による学問上の記述を司法的な審査の対象にするのは学問・出版の自由に対する侵害につながるとする意見も存在する。

シン・スジ記者
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