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 全国の警察が昨年1~11月に受理した110番通報の2割強が、緊急の対応が不要な内容だった。「110番の日」の10日に向けて、警察庁がまとめた。担当者は「警察相談専用電話(#9110)の利用を」と呼びかけている。

 警察庁によると、受理件数は841万9738件。年間で例年並みの935万件余を受理した前年の同じ時期より1・2%少なかった。指示を受けた警察官が現場に到着するまでの平均時間は7分4秒で、前年同期より4秒遅くなった。

 全体のうち184万1757件(21・9%)が、110番でなくても良い内容だった。「道路を駐車禁止にしてほしい」などに加えて、「眠れない」「パソコンに文字が入力できない」「パチンコで勝てない」というものも。事件に遭ったという虚偽通報もあった。

 こうした通報の割合は10年前の27・6%から減少傾向だが、依然2割を超えている。回線がふさがったことはないというが、担当者は「事件や事故、火災の発生、不審者の目撃情報など急な対応を要する通報を受理できなくなる恐れもある」。悪質なケースは偽計業務妨害容疑で立件するという。(八木拓郎)