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07:00
キレイごととは違う、本当のことを!

最近ザワザワしていた羽生クラスタ恋愛ガチ勢のみなさん、まずは新年あけましておめでとうございます。いや、新年関係なくおめでとうございます。「結婚しないよー、まだー」「僕自身、どうしてこうなったのかわからない」「火のないところに煙が立った」などのハッキリとした言葉たちは、当面は夢の終わりがこないことを示すものとして受け止めていいでしょう。めでたい春です。

僕はどちらかと言えば週刊誌を信じているほうです。根も葉もないウソも多いけれど、週刊誌には本当のことも含まれています。それは、つい最近芸能界に卒論を提出したベッキーさんの案件などでもご理解いただけることでしょう。「週刊誌の全部がウソとは限らない」のです。だから、どんなに信じがたい内容であっても、動揺しないではいられません。もしかしたら本当かもしれないのですから。

ただ、羽生氏結婚案件については、ひとまずは安心していいはずです。週刊誌以上の強さで、僕は羽生氏を信じていますから。聞く人によってはキレイごとに聞こえるかもしれないほど完璧な発言を並べる羽生氏の語りの最大の特徴は「言行一致」にあります。勝つと言って勝つ、やると言ってやる、アスリートとしての有言実行もそうですが、生き様全般において自分の発言と自分の行動を高いレベルで一致させるところに、かの人の際立ったところがあります。

偽りやごまかしを許さない峻烈さ。

自分の発言で自分を律する厳しく強い意志。

僕などは猜疑心が強く、アンテナの感度もそれなりにあり、また自分自身がウソつきなので、他人のウソや欺瞞にすぐに気づいてしまうクチです。常に何もかもを疑っているので、おかしなところがあればすぐに目についてしまう。だから、必ずしも品行方正でなくてもいいのですが、「誠実」であることを求めたくなってしまう。「あぁ、またウソをついている」と感じたら、それだけで心が疲れてしまうので。ウソをつくなら徹底的にウソをついて騙し切るまでやってこそ、ウソにも誠実が宿るというもの。正直でなくても、誠実ではあってほしい。それが願いなのです。

その点で、羽生氏は安心できる。ウソであろうが本当であろうが、彼は自分のクチから出た言葉に誠実です。「結婚しないよ、まだ」「火のないところ」と彼が言うなら、まだしないことは信じても大丈夫。ただ、同時に「いつかはするかも」ということまで否定しているわけではないので、本当に想い人がいたとしても彼女(彼氏)に対して不実なわけでもない。「あぁ、この人は聡明で、誠実な人だ」と改めて感心し、改めて惚れ直しました。

男はこういうとき卑怯ですから、FAX一枚で逃げるような輩も多い。ヒドイときには、女性側に空港で釈明会見をさせておいて、自分は海外にそそくさとダンマリ遁走なんてこともあります。競技で強いとか、世界最高得点とかはもちろん大事なのですが、一番大事なのは人間です。どんなに美しい技も、愛せない人物の繰り出すものであれば、素直に讃えることもできないでしょう。根っこが美しくあってこそ、上澄みも清らかになる。火のない話なら無視してもいいところで、あえて矢面に立った姿、立派だったと思います。

万が一のときは、僕が我が身を賭してAさんにアタックし、僕が先にAさんを射止めるという逆転の秘策……(ただし僕の夢はそこで終わるけれども)……を繰り出すことまで考えましたが、もう少しの間は夢を見ることが許されそうです。いつか夢の終わりが来るとしても、それが今ではないなら、それだけで十分です。

ということで、葛藤がおさまり心安らかに見守ることができた、9日のNHK中継による「NHK杯フィギュア スペシャルエキシビション」をチェックしていきましょう。


◆思い出のリンクで羽生氏とキャンデロロのダルタニアンがクロスした!

応募こそしたものの、こんなの当たるわけないよ、という人気公演。会場となる盛岡市アイスアリーナへの入場権利を手に入れるためには、どれほどの狭き門をくぐる必要があったのでしょう。そうそうたる顔ぶれを集めるには小さすぎる箱。それでもあえて、昨年終わった「NHK杯」の「スペシャルエキシビション」を年をまたいで盛岡でやることには、意義があります。震災復興支援への想いがこめられています。ならば仕方ない。

そういう意味では、当たらなくてよかったなというのも正直な気持ち。その会場にはひとりでも多くの傷ついた人が集ってほしい。僕は、励まされるほど傷ついてなんかいない。運よくその門をくぐれていたりしたら、ちょっと申し訳ないような気持ちになりますからね。

照明を落とした会場。各座席にLEDのペンダントが配られていたそうで、座席ではひとりひとりが星のように光っています。遠隔操作で色合いや点滅がコントロールされる、最近ではおなじみの仕掛け。光の演出がスケーターの演技とシンクロして、来場者も演者になったかのような感じ。イイものを見るだけでなく、その一部になれる。これもまた「復興」精神なのかもしれません。

オープニングを経て1番手は宮原知子さん。「翼をください」の演目は、この公演の幕開けを担うにふさわしい。エキシビションというと面白いネタみたいなものをぶつけることも多いですが、こうしたしっとりとした演目もやはり大切だなと改めて思わされます。心にチラッとゾンビがスリラーする場面がよぎりますが、意識の外に送り出して、今はただ静かに翼を広げます。

↓ありがとう翼をくれて!トリの次に大事な一発目、託せるのはさっとんしかいない!

スリラーとかハビちゃんマンとかばっかりだったら、復興支援感出ないからな!

さすが、安心のさっとん!


羽生結弦氏、浅田真央さんといったエース格はもちろん、国内トップ選手がほぼほぼ集い、さらにはプルシェンコ、キャンデロロといった日本でも人気の高いレジェンドも集結したスペシャルな舞台。羽生・プル・浅田と神々が並ぶと、三十三間堂か何かのようなありがたさで軽く後光すら差してきます。

太田由希奈さんや本田武史さん、殿のような先輩格。ロシアからやってきた川口&スミルノフ組、世界王者デービス&ホワイト組といったベストカップルたち。「ジュニア・ノービス選手たち」のひとりとしてシレッと加わっていた山本草太クンのような新世代。よくぞこれだけ集めたなというオールスター。

競馬なら有馬記念、音楽なら紅白歌合戦のような素晴らしい祭典感で、お得アンドお得アンドお得。「オイ、ミキがおらんぞ!」「ミキも被災地への熱い想いとかあるはずや!」「アイスバケツチャレンジとか盲導犬支援とかいろいろやってるぞ!」と騒いでいたのはウチの茶の間くらいのものでしょう。

↓前半のフィナーレを飾る「花は咲く」では音楽・舞踏・演出が素晴らしい一体感を見せた!


踊りに合わせて会場に光の花が咲いていく!

歌声は岩手県出身の民謡歌手・臼澤みさきさん!

この曲で紅白狙えるかもしれんな!

そして、その際には羽生氏の2年連続2回目の紅白出場も濃厚だな!

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後半戦に入ると、僕にとっても思い出深い、あの演目が披露されました。フィリップ・キャンデロロの「ダルタニアン」。長野五輪で銅メダルを獲ったときのあの演目。少し腹は出たけれど、カッコよさはまったく衰えないキャンデロロがアレをやってくれる。衣装を見ただけで、ズッキューンと脳から汁が出てきます。

演技に入るときの表情や、トリプルアクセルでフラつくところなんて、長野五輪そのもの。構成は変わっているものの、やはりこの演目はいい。ジャッジ席に向かってご婦人にキスしてみたり、正座でスピンしてみせたり、見せ場のストレートラインステップでちょっと余計に剣を振ってくれたり、得意のバックフリップを披露してくれたり、オールタイム・ベスト・オブ・キャンデロロといった演技です。

滑り終わったあとはオッサンらしく、顔真っ赤でハァハァしてましたが、キャンデロロにこれだけやらせるのも震災復興支援という意義があればこそでしょう。「ダルタニアン、こないだもやってたぞ」「ワリとしょっちゅうやってる」「日本人、ダルタニアン要求しすぎ」などという声は、僕にはまったく届きません。イイものを見られたという感謝のみ。ありがとうキャンデロロ、復興支援の気持ちありがとう。

キャンデロロから殿のリバーダンスにつながる流れは、僕のフィギュアスケート歴をなぞるかのような胸熱の時間でした。しかも、地味にこの会場は僕のホームリンクですからね。小学校の友だちと滑りにいった、地元中の地元。僕は震災復興で癒される対象じゃないんですけど、すごい癒された気分です!

↓そしてキャンデロロはインタビューで大暴走!浅田舞さんの「この娘、イケそう」感を敏感に察して、突然キスを要求!


キャンデロロ:「ひとついいかな?」
キャンデロロ:「とても美しい女性と出会えたので」
キャンデロロ:「キスをしてあげたい」
キャンデロロ:「アリガトー」

オッサン衰えねぇなwwwww

さすがオールタイム・ベスト・パフォーマーwwww

もし興味がおありなら、その娘、もっと深いとこまでイケますんで、卒論提出しちゃってください!

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レジェンドたちの演技を経て、舞台はクライマックスへ。やはりフィナーレを飾るのはキング&クイーン、羽生氏&真央さんがふさわしい。羽生氏が今日そのものの想いをこめた「天と地のレクイエム」と、真央さんが波に耐えた一本松を見てプロデュースしたという「ジュピター」は、まさに贅沢の極み共演。

復興支援というのは、スターに果たしてほしい仕事です。誰の励ましもありがたいけれど、やっぱりスペシャルな励ましがほしいものでしょう。失ったものを取り返せないまでも、代わりに何か特別な体験をできたら、少しでも心癒されるかもしれませんから。日本フィギュア界には、そのスターがいる。だから、こうした形での支援も素晴らしい形となる。

羽生氏の「言行一致」を見ているとき、この人があの震災に遭遇したのは神様の試練だったのかもしれないと思うときがあります。世界最高記録を出すほどの才気は、スターとしての責務をいやおうなく迫ってきます。東北出身でなかろうが、同じように復興支援のために彼は滑っていたでしょう。ただ、もしあの日、あの場所にいなかったなら、復興支援のために滑りながら人々と触れ合いながら、どこかで彼は負い目を感じてしまっただろうと思うのです。

自分はこの人たちの痛みや悲しみを本当は何もわかっていない、と。そんな自分がどんな言葉をかけ、何をしても上辺だけの行動に過ぎないんじゃないか、と。ソチで金メダルを獲ったあと「金メダリストになれたからこそできることがある」と語った羽生氏。すでに世界に名だたるチカラを備えていてもなお、金メダルでようやく何かの「資格」を得たかのように振る舞う姿は印象的でした。

「自分ごときが元気や勇気を与えることなどできるのか」という迷いと不安を断ち切ったのが「金メダル」だったとすれば、あの日・あの場所にいたことは「自分はこれをすべきだし、してもいいんだ」という「赦し」だったはず。元気や勇気を与えるなんておこがましいことではなく、一緒に立ち直る仲間であると自分を認められることが、羽生氏の救いとなっているのではないかと思うのです。

堂々と、中心に立って、胸を張って滑ることができる。稀有なるスターがこうした活動に積極的に参加することはもちろん、それを自分の使命と感じて、迷いもためらいも引け目もなくパフォーマンスできるというのは本当に素晴らしいことです。できるものなら避けたい出来事だったでしょうが、彼がスターであるがゆえに避けては通れない道だったのかもしれないな、と……。

↓大きな痛みを負ったからこそ、堂々と舞える!みんなのチカラになり、ともに立ち上がるために!


やはり、人間は真実の上にしか生きられないな…!

真実の上に立っているからこそ、心から愛せるんだな…!

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本当はこの話題はスルーのつもりでした。エキシビションは競技外の部分でもあり、よほどクレイジーなネタでもなければ、追加で述べることもありません。また、ちょっと最近は羽生氏関連案件も多く、そればかりになることも避けたかった。ここは羽生氏ブログということじゃないので。ただ、何と言うか、この人は本当に立派だなという気持ちがわいてきてしまって、クドクドと書いてしまいました。

紅白を全力で楽しみ、同級生やファンを全力で守り、復興支援のために全力で舞う。この1週間ほどで見せてきたいくつかの顔。そのすべてが揺るぎない真実の上に立っている。だからこそ千本桜も口ずさむし、ハッキリとした言葉や、堂々たる振る舞いも生まれるわけじゃないですか。作られた元気や作られた善意ではなく、この人は真実の上に生きている。それはとても稀有なることで、とてもとてもスゴイことだと思うのです。

注目度は一層増すばかりで、人に疲れたり、世間を疎ましく思うときもあるでしょう。ただ、それをも突き抜けるように、このまま真っ直ぐ生きていってほしい。幾多のアスリートが心を閉ざしていった歴史を超えて、スターとして、スターにふさわしい生き様を積んでいってほしい。世界を動かす資格と、そうするべき運命がキミにはある。頑張れ。とりとめない感じで、自分でも何を言いたかったのかブレブレになってしまいましたが、そんなことを思う朝なのです。


好きになって、よかった!キミは、ホントに、大した男だと思うよ!