金王朝の暴政と南北の実情伝える対北宣伝放送、その内容とは

「『輸入病』金正恩はiPhoneユーザーで娘にドイツ製粉ミルク」
金正恩第1書記と北朝鮮体制の実像明らかに
DJが演歌『百歳人生』で韓国の発展紹介、K-POPアイドルの歌も

金王朝の暴政と南北の実情伝える対北宣伝放送、その内容とは

 北朝鮮はこれまで、北朝鮮向け宣伝放送に対し極度に敏感に反応してきた。それは、宣伝放送が「金王朝」の暴政を伝えてきたからだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権だった2004年6月の南北将官級軍事会談で、韓国側は北朝鮮から西海(黄海)で挑発行為をしないという約束を取り付けたことから北朝鮮向け宣伝放送を中止、スピーカーを撤去した。北朝鮮側はこの時、「金正日(キム・ジョンイル)総書記の最大の宿願は北朝鮮向け宣伝放送をやめさせることだ」と言ったほどだった。

 8日に再開された北朝鮮向け宣伝放送も、南北の実状を知らせる内容だった。最初の放送は『韓民族、統一へ、未来へ』という教養番組だった。アナウンサーが新年に禁煙を決意したことを語った後、1980年代の人気グループの『禁煙』という曲をかけた。次に男女デュオの『お兄ちゃん、私、寒い』という曲をかけた。

 続いてアナウンサーが「北朝鮮の同胞の皆さん、人は誰でも他人に明かしたくない秘密というものがあるでしょう? ですが、独裁国家ではそうした人間の本能までも規制するんです」と、北朝鮮の体制の問題点を指摘し始めた。そして、韓国の個人情報保護法を説明し、「北朝鮮の同胞の皆さんも個人のプライバシーが侵害されない社会で暮らせるようになることを祈っています」と締めくくった。

 次の『労働新聞をあらためて読む』という時事番組では、「金正恩(キム・ジョンウン)は国産化を叫んでいるが、北朝鮮で一番ひどい『輸入病』にかかっているのは独裁者・金正恩と夫人の李雪主(リ・ソルジュ)だ」「2012年だけで6億5000万ドル(現在のレートで約764億円)のぜいたく品を買った。金正恩が使っているのはiPhone(アイフォーン)で、娘が飲んでいる粉ミルクはドイツから輸入している」などの話が放送された。

 さらに、ドラマ・時事番組のほか、脱北女性アナウンサーが韓国の体制の優れている点を紹介する番組『幸せな韓国』などが5-15分ずつ放送された。『幸せな韓国』では、最近流行している演歌歌手イ・エランの『百歳人生』を男女DJが歌い、「韓国人は100歳時代と言われるほど北朝鮮の人よりも平均寿命が長い。北朝鮮の乳児死亡率は韓国の6.7倍だ」と語った。

 韓国軍関係者は「昨年8月の木箱地雷爆発の時と同じく、北朝鮮向け放送『自由の声』をそのまま放送している。内容は基本的なニュース、韓国の発展の様子、北朝鮮の実像・体制批判などだ」と語った。今回の放送では、北朝鮮の若い兵士たちに向けて、K-POP女性アイドルグループGFRIENDの『今日から私たちは(Me gustas tu)』や、A pinkの『私たちをありのままで愛し合わせて』などの歌も流されたとのことだ。

チョン・ヒョンソク記者 , 梁昇植(ヤン・スンシク)記者
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