手足の冷えがひどくて辛い、という末端冷え性も多いですが、芯が冷えて身体の中と外での温度差が大きい、「冷え」もあります。冷え性という自覚がない「隠れ冷え性」です。
身体の冷えは、様々な不調や病気のサインでもあり、「冷え性」という自覚が有れば、何かしらの対策は取るものです。自覚がなければ、冷え性対策もしないし放って置くことに。実はこれが一番危険。
末端冷え性と言われる手足の冷えや、本当は怖い自覚のない「隠れ冷え性」など、冷え性の原因と対処の仕方です。簡単にできるものをまとめましたので、冷え性の改善に役立て、病気になりにくい身体を作っていきましょう。
男だって冷えるのさ
女性に多いとされる冷え性ですが、男性にも冷え性の悩みが急増しています。
冷えの要因は、ストレス社会、エアコンの整いすぎた環境、運動不足など、男女を問いません。
男性に多い下痢の悩みは内臓の冷え
「通勤途中の駅のトイレの場所はすべて頭に入っている」という男性、結構多いです。お腹が弱いという症状が男性に多いのです。
女性のほうが男性より腸が長いので、便秘になりやすく、男性は下痢になりやすい。ということもありますが、実は内臓の冷えが原因です。内蔵は冷えると、働きが鈍くなるのでお腹が正常に働かず、下痢をしてしまうのです。
疲れが残る・疲れやすいも冷えから
一日の生活リズムが多様化している現代の生活習慣、疲れを摂るタイミングを図るのも難しい。疲れが取れない状態が続き、すぐ疲れる慢性疲労も身体の冷えが原因。
就寝前に入浴して、心身ともにリラックス、身体を温めましょう。十分な血液が流れると、新陳代謝が活発になり溜まった老廃物が排出されて、身体のコリもほぐれます。
肩こり・腰痛がひどくなった
加齢による老化現象、と思いがちですが、これも冷えが原因の一つとなっています。
冷えで血行が悪くなり、老廃物が溜まる。筋肉組織が固まって痛みがでる。
身体を温めて血行を良くすることで、びっくりするくらい楽になることもあります。
メタボ
メタボリックシンドロームは「代謝異常症候群」。体温が1℃低くなると代謝が12%も落ちてしまいます。冷えると、身体を守ろうと内蔵を冷やさないよう脂肪を蓄えようとします。
以前に比べ平均体温が低下傾向があるので、冷えはメタボになりやすい、ともいえます。
うつ状態
今や職場うつは現代病とも言える。精神的なストレスは身体を冷やします。体温と自律神経は深く結びついているので、身体が冷えると交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいか無くなります。
精神のバランスが摂れず、うつ症状がでたりと精神的にも支障が出るのです。
冷えから身体を守る5つのヒント
日常生活で簡単に身体を温めることができる5つの方法です。健康の維持、改善には冷えた身体を温めることが大切。
- 筋肉を増やす
- 新陳代謝を活性化させる呼吸法
- 身体を温める食事を摂る
- 身体を温める入浴法
- 熱中することを持つ
筋肉を増やす
身体の中で体温を生み出すのが多いトップ3は、筋肉、肝臓、胃腸です。筋肉を動かし続けることで体温を保っています。筋肉が収縮することで熱が発生しています。
人間の筋肉の約70%が下半身にあるので、下半身の筋肉を増やすウオーキングなどの筋肉エクササイズを無理なく摂り入れます。
大きな筋肉である、お腹、背中、太ももの筋肉を意識して増やしましょう。
太もも
歩く、立つ、など日常のあらゆる動作で使われます。デスクワークや車の移動が多い人は、意識してこまめに動き、筋肉を刺激します。
背中
身体の中で一番広い面積を占めています。背すぎをピンと伸ばす姿勢を意識するだけでも効果的です。
お腹
呼吸法でも触れますが、腹式呼吸を意識します。加齢に伴い衰えやすく、筋肉量が減ると内蔵の冷えに。骨盤の歪みの原因にもなります。
末端冷え性にも筋肉が一働き
筋肉は、血液を押し出すポンプのような働きもしています。身体の隅々まで栄養を届ける血液は筋肉の力も必要。
血液を押し出すことで、末端冷え性となる手足の血液不足が解消され、隅々まで身体を温めます。
肩こりがひどく、マッサージをしてもらうと、氷のように冷たい指の先までサーッと血液が流れ、ポッと暖かくなるのイメージしてください。
硬くなった筋肉をマッサージする=健康な筋肉がポンプの役割をする⇒血行がよくなり身体の隅々まで血液がいきわたる
新陳代謝を活性化させる呼吸法
姿勢を正しく保って、鼻から息を吸ったらいったん息を止め、口から細く長く息を吐き出します。腹式呼吸でお腹が背中にくっつくような感じに吐き切ります。
半身浴をしているときなどでも、思い出したらやってみてください。ダイエット効果も期待できます。
血管が冷えて収縮すると身体の隅々まで酸素が行き渡らなくなり、末端冷え性になるだけでなく、内蔵まで冷えてしまいます。
身体を温める食品を摂る
根菜類、豆類、大豆製品、ゴマ、海藻類、干物、自然塩、黒砂糖、はちみつ、温野菜、紅茶、赤ワインなどの陽性食品を多く摂る。
栄養を吸収する働きをする腸は、体温より高い37度以上でうまく働きます。身体を冷やす物が入ると細胞がダメージを受けます。
胃腸の働きが低下すると新陳代謝が狂い、免疫力が落ちてしまいます。
身体を温める入浴法
半身浴がオススメ。水分補給を忘れずに。
下半身に程よく水圧がかかり、心臓の負担が少ない入浴法です。温めのお湯でじんわり温めるのが良い。心臓から遠い手足からかけ湯をして。
浴室と脱衣所、部屋の温度さが大きくならないように注意しましょう。
入浴剤やアロマなどを利用するのもリラックス効果も期待できます。
のぼせ防止に、濡れタオルを頭に載せたり、肩の冷えが気になる場合は、肩にタオルをかけても良いでしょう。
上がり湯は、拡張した血管を収縮させ、湯冷めしないためです。浴槽より少し温めのお湯を足にかけます。
足湯
足の冷えは身体の冷えです。足の裏には身体の各機関に繋がるツボがたくさん集まって入て、悪いところが有れば足の裏の各器官ごとのツボに現れます。言わば健康のバロメーター。
足のコンディションを整えることで身体にも良い影響が。
足湯は特に下半身の血流を改善、血行が良くなります。入浴できない時でも簡単にできるので毎日続けると良いですよ。
いつでもどこでも簡単にでき、身体への負担が少ない、のぼせにくいといったメリットもあります。
熱中することを持つ
頭に血がのぼる、というのとは違いますが、何かに熱中していたり、元気に前向きに生きている人は、体温が高く血行がよくて免疫力が高い人が多い。
前向きな感情は副交感神経の働きを活発にして、血行をよくし、免疫力や細胞の働きを活発にします。
冷え性の原因は何?
冷え性の原因は運動不足などによる筋肉の減少、食事内容の変化、日常生活の歪みなど。
便利さが返って運動不足を招いたり、エアコンの普及で身体の体温調整機能が低下していたり、身体を冷やす食事を摂っていたり。以前より体温が低下し、平熱が35℃台という人も増えているのも冷え性の要因。
ストレスも心身を緊張させるアドレナリンや、ノルアドレナリンなどのホルモン分泌をたかめ、血管が収縮して血行が悪くなり、身体が冷えます。
末端冷え性で手足が冷えると、靴下をはいても足が冷たくて眠れないと言ったことも怒ります。
寝る2時間ほど前に入浴し、身体が温まっている時に寝る。湯たんぽなどを使い、布団を温めておく。なども良いですね。
本当は怖い隠れ冷え性
末端冷え性で手足が氷のように冷たい、夜眠れないといった悩みを抱えている人は多いのですが、冷え症と自覚はないけれど、実は身体の中が冷えていた。ということが少なくありません。
身体が冷えると、花粉症などのアレルギー、頭痛、肩こり、生理痛。慢性的な血流の乱れから免疫力が低下もしがち。糖尿病、高血圧、心筋酵素などの生活習慣病などの要因にもなる可能性もある。
冷えは万病の元と言われるほどですから、何の対策もせずに放置していると…
まとめ
手足の指先が冷える末端冷え性で、寝付けない、調子が悪い、と言った季節になりましたね。 内臓が冷えて不調のことも多いです。隠れ冷え症にはご用心。
身体が冷えるのは、筋肉量の減少も原因のひとつです。筋肉は人間の身体の中で一番大きい熱生産機関なので、筋肉量が減ると体温も下がる。食生活や生活習慣、ストレスも要因です。
日常生活で、無理なく体温をあげる方法を実践し、冷え性の改善を。
おまけ:
「ひえしょう」と検索窓に入れると大抵の場合、「冷え性」と変換されますね。「冷え症」ではないところに注目!症は病気と判断された場合に主に用います。
冷え性(ひえしょう)は、特に手や足の先などの四肢末端あるいは上腕部、大腿部などが温まらず、冷えているような感覚が常に自覚される状態のことである。出典:Wikipedia
「ナースのひとりごと」~今日も1ページ