さらに世界景気まで低迷し、韓国経済にさらに打撃を与えている。金融危機以前(00-07年)に世界経済の成長率は年平均4.5%だったが、金融危機以降(08-14年)には同4.0%に低下した。国際通貨基金(IMF)は「今後金融危機の影響が沈静化しても、全世界の成長潜在力は金融危機以前に比べ低下する見通しだ」としている。
これについて、韓銀調査局の担当者は「韓国が成長潜在力を拡充し、低成長から脱するためには、経済政策だけでなく、社会・経済的な構造改善努力も積極的に並行する必要がある」と述べた。
■遠のいた1人当たりGDP3万ドル
IMFは当初、14年後半の世界経済見通しで、韓国の15年の1人当たりGDPが3万807ドルに達すると予想していた。14年の1人当たりGDPが2万8000ドルに迫っていたことからみて、決してバラ色の幻想ではなく、十分に手が届く数字だった。現代経済研究院も当時、同様の見通しを示していた。
しかし、予想は外れた。昨年の韓国経済が2%台の成長にとどまり、1人当たりGDPも3万ドルには届かないとみられる。06年に2万ドルを超えた後、10年にわたり3万ドルの壁を突破できない格好だ。その上、潜在成長力がますます低下し、世界的な経済環境も悪化しており、来年も3万ドル達成は困難とみられる。1人当たりGDP2万ドルを達成してから5年で3万ドル台を達成した日本やドイツと比べると見劣りする。