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メジャーアイドル楽曲部門 トップ5
第1位
Negicco 『ねぇバーディア』
<収録作品>
シングル『ねぇバーディア』
2015年のアイドル楽曲大賞・メジャーアイドル部門第1位は、Negiccoの『ねぇバーディア』でした!
(ハロプロ楽曲大賞の一部門だった時期を含めると)通算6回目となるイベントですが、Negiccoが1位を獲得するのは今回が初めてとなります。元々コアなアイドルファンの中では良質な音楽作品や下積みの長さ(2003年結成)、地元新潟への貢献などで支持の堅いグループですが、近年はタワーレコードのアイドル専門レーベル・T-Palette Recordsへの参加、また全国CMの出演でさらに知名度が広がりつつあり、なおさら注目度を上げていました。
楽曲を提供したのは”レキシ”こと池田貴史で、爽やかなメロディラインとNegiccoのハーモニーに魅せられるリスナーが続出。また8月に開催された日比谷野音でのワンマンライブ 「Negicco at 日比谷野外音楽堂Road of Negiiiiii?Negicco One Man Show? 2015 Summer」の記憶を重ねたファンも多かったようです。
第2位
Negicco 『光のシュプール』
<収録作品>
シングル『光のシュプール』
アルバム『Rice&Snow』
そして今回はなんとNegiccoが上位を独占!第2位に選ばれたのは2014年12月に発売されたシングル曲『光のシュプール』。
同曲は結成11年にしてグループが初めてオリコン週間5位以内*1を獲得した記念すべき作品でもあり、その盛り上がりは2015年のNegiccoを大きく支える原動力にもなりました。楽曲の作詞作曲は初期からNegiccoのサウンドプロデュースを手がけてきたconnie、編曲はORIGINAL LOVEの田島貴男で、キラキラとした雪の輝きを思わせる至高のウインターソング。昨年末のリリースという不利をものともせず、堂々のランクインです(ちなみにトップ3に同一グループの楽曲が入ったのは、2012年のTomato n' Pine『ワナダンス!』&『ジングルガール上位時代』以来となります)。
2014 最高5位 『トリプル!WONDERLAND』
2013 最高2位 『アイドルばかり聴かないで』
2012 最高9位 『あなたとPop With You!』
2011 最高149位 『ガッター! ガッター! ガッター!』
2010 最高43位 『スウィート・ソウル・ネギィー』
第3位
アイドルネッサンス 『YOU』
<収録作品>
シングル『YOU』
第3位にランクインしたのはソニー・ミュージックアーティスツから誕生した初のアイドルグループ・アイドルネッサンス。誕生当初から過去の名作をカバーする”名曲ルネッサンス”が大きな注目を集め、結成年のアイドル楽曲大賞2014ではインディーズ・地方アイドル楽曲部門において第1位を獲得。2015年からはT-Palette Recordsの所属になり、部門も移動となりましたが、支持の高さは変わらず、今年も彼女たちを上位に押し上げました。
「YOU」はT-Palette Recordsからの第一弾リリースで、オリジナルはシンガーソングライターの大江千里が1987年に発表したもの。原曲の世界観と21世紀で育つ少女たちの姿が見事にリンクしたことが、多くのリスナーの心に響きました。
第4位
アイドルネッサンス 『夏の決心』
<収録作品>
シングル『夏の決心』
上位のNegiccoと同じく、なんと3位4位も同一グループからの選出!2015年のアイドルネッサンス第二弾シングル『夏の決心』が続いて、第4位となりました。こちらもオリジナルは大江千里で、1994年のリリースシングルになります。
90年代に人気を博した子供向け番組「ポンキッキーズ」(フジテレビ)の夏ソングでもあったことから、歌詞はより等身大のアイドルネッサンスに近いものに。また「TOKYO IDOL FESTIVAL 2015」など夏休み期間のイベントラッシュでこの曲を追いかけた人も多く、2015年の夏の象徴として曲名を上げる人も目立ちました。
第5位
アップアップガールズ(仮) 『アッパーレー』
<収録作品>
ミュージックカード(ライブDVDに封入)『アップアップガールズ(仮)全国47都道府県ツアー2015~RUN!アプガ RUN!ダッシュ~』
そして第5位に入ったのはなんと、アップアップガールズ(仮)!今までの最高記録13位(2013年)を大きく上回り、アイドル楽曲大賞で初めてのトップ5入りとなりました。
ハロプロエッグとして育ちながらデビューが叶わなかった苦悩を激しい楽曲とライブステージに注ぐことで1から這い上がってきた形のアップアップガールズ(仮)ですが、『アッパーレー』はそんな彼女たちの高いテンションがさらに振り切れる鉄板ライブアンセム。音源がライブDVD封入のミュージックカードのみという不利な条件でありながら、ステージの記憶が多くのリスナーに投票ボタンを押させたという、ライブ時代のアイドルシーンを象徴するようなランクインともいえます。
2014 最高24位 『ジャンパー!』
2013 最高13位 『チョッパー☆チョッパー』
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アイドル楽曲大賞2015 注目グループ
lyrical school 最高6位 『ワンダーグラウンド』
<収録作品(最高位)>
シングル『ワンダーグラウンド』
昨年の8位からさらに順位を上げ、今年は最高6位まで到達したlyrical school。2015年は2年ぶりとなるオリジナルアルバム『SPOT
』の発表やhinaの卒業など、グループにとってもファンにとっても濃厚な1年になりました。12月に発表された元ライムベリーのhime新加入も大きなトピックスで、2016年は本格的に新体制での船出となります。
2014 最高8位 『FRESH!!!』
2013 最高34位 『PARADE』
2012 最高66位 『そりゃ夏だ!』
2011 最高32位 『プチャヘンザ! / tengal6』
私立恵比寿中学 最高6位 『スーパーヒーロー』
<収録作品(最高位)>
シングル『スーパーヒーロー』
過去に2年連続でトップ5入りの実積を持つ私立恵比寿中学が、今年は久々に最高6位へと返り咲き。新体制となって丸1年が過ぎ、オリジナルアルバム『金八
』のリリースやそのタイトルの元ネタとなったミュージックステーションへの初出演など、明るい話題が強い追い風となりました。最高位となった『スーパーヒーロー』は胸のすくようなサウンドと歌詞が柱の応援ソングで、デビューから数年を経て自ら王道に立ったその背中には、既存ファンも新規ファンも関係なく引きこむ力がありました。
2014 最高12位 『ハイタテキ!』
2013 最高4位 『誘惑したいや』
2012 最高3位 『仮契約のシンデレラ』
ベイビーレイズJAPAN 最高9位 『夜明けBrand New Days』
<収録作品(最高位)>
シングル『栄光サンライズ(c/w 夜明けBrand New Days)』
『暦の上ではディセンバー』(2013年)をターニングポイントとしてグループが大きく成長、2015年からはベイビーレイズJAPANに改名して活動中の彼女たち。昨年からさらにランクを伸ばし、今回でついに初のトップ10入りを果たしています。最高位の『夜明けBrand New Days』は新名義第一弾シングルのカップリング曲で、ライブ現場やYoutube映像を通じてステージの感情が共有されていきました。
2014 最高20位 『恋はパニック』
2013 最高92位 『ベイビーレボリューション』
2012 最高146位 『ベイビーレイズ』
Especia 最高10位 『Aviator』
<収録作品(最高位)>
シングル『Aviator/Boogie Aroma』
インディーズ・地方アイドル楽曲部門において2年連続でトップ3入りを果たしていたEspecia。ついにビクター(VERSIONMUSIC)からのデビューを果たし、2015年からはメジャーグループの仲間入りとなりました。最高位となったシングル曲『Aviator』はインディーズ時代からの個性を存分に活かした80's風味のサウンドで、ファンの渇望に応えた納得の1作になっています。
2014 最高3位 『No1 Sweeper』※*3
2013 最高3位 『ミッドナイトConfusion』※*4
2012 最高129位 『ナイトライダー』※*5
夢みるアドレセンス 最高11位 『くらっちゅサマー』
<収録作品(最高位)>
シングル『サマーヌード・アドレセンス(c/w くらっちゅサマー)』
2012年に結成された5人組アイドルグループ・夢みるアドレセンスは、ついに最高11位まで到達。デビューから+628位のジャンプアップという驚異の数字は、女性アイドルジャンルで彼女たちがいかに存在感を増していったか、ありのままに物語っています。アイドルの可愛い夏ソングというだけでなく、『くらっちゅサマー』は作詞作曲編曲すべてを元Cymbalsの矢野博康が担当しており、その点に惹かれて入ったリスナーもちらほら見受けられます。
2014 最高66位 『マワルセカイ』
2013 最高156位 『純情マリオネット』
2012 最高639位 『はじめての輝き』
清 竜人25 最高12位 『A・B・Cじゃグッと来ない!!』
<収録作品(最高位)>
シングル『A・B・Cじゃグッと来ない!!』
アルバム『PROPOSE』
投票受付2週間前のデビューにも関わらずアイドル楽曲大賞2014でいきなり3位を獲得した清 竜人25は、今年も12位と好ポジションをキープ。一夫多妻制アイドルユニットという謎の高揚感、そして清竜人自ら生みだすドルヲタストライクのポップミュージックは今年も変わらずファンを虜にしていきました。9月には1stアルバム『PROPOSE
』も発売され、その世界をじっくりと堪能できるようになっています。
2014 最高3位 『Will You Marry Me?』
でんぱ組.inc 最高14位 『あした地球がこなごなになっても』
<収録作品(最高位)>
シングル『あした地球がこなごなになっても』
ここ2年トップ5以内をキープしていたでんぱ組.incは、少し順位をさげてこの位置に。知名度が広がる一方、2015年はとくにシングルで従来の”電波”要素があまり入らなかったため、従来の路線を支えていた層がメインの楽曲大賞では、DD票が他へ流れやすい状況でもありました。ただ今年最高位となった『あした地球がこなごなになっても』は「ソラニン」で知られる漫画家・浅野いにおが作詞を手がけた作品で、今までにない世界観が新たにファンの心を掴んでおり、2016年も変わらず注目しておいた方がよいといえそうです。
2014 最高4位 『サクラあっぱれーしょん』
2013 最高5位 『でんでんぱっしょん』
2012 最高13位 『キラキラチューン』
2011 最高118位 『Future Diver』
GEM 最高16位 『Star Shine Story』
<収録作品(最高位)>
シングル『Star Shine Story』
2014年結成、前回が初参加だったiDOL Street所属のアイドルグループ・GEMはさらに順位を上げ、今年はトップ20入り。あくまでもアイドルという基本を崩さずに、レーベル母体であるavex王道のダンスやボーカルを生かしたサウンド、ステージ作りを意識して行っており、その信頼が今年も安定した評価となって表れました。勢力図がさらに変わるであろう2016年の楽曲大賞(仮)では活躍次第で、もっと順位を上げる可能性が大いにあります。
2014 最高29位 『Do You Believe?』
Perfume 最高18位 『STAR TRAIN』
<収録作品(最高位)>
シングル『STAR TRAIN』
(実質的なアイドル楽曲大賞のスタート時期である)2010年の時点ですでにアーティストとして一般層でブレイクしていたPerfumeは、アイドルブームの中心にあった楽曲大賞においてはあくまでも参考順位というくらいの距離感でこれまで推移してきましたが、このタイミングでシングル『STAR TRAIN』がいきなりのトップ20入り。その背景には2015年がアイドルから出発した彼女たちにとって結成15周年&メジャーデビュー10周年のメモリアルイヤーであったこと、また同年公開のドキュメンタリー映画にあわせて楽曲もその歩みを意識したものになっていたことが、強く関係していたと思われます。
2014 最高91位 『Cling Cling』
2013 最高77位 『未来のミュージアム』
2012 最高73位 『Spending all my time』
2011 最高27位 『レーザービーム』
2010 最高18位 『不自然なガール』
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気になる動き
<上昇or安定組>*6
2014年メジャーデビュー組の吉田凜音が女優・蒼波純との期間限定アイドルユニット曲で一気にトップ10入り!名義こそ違うものの間違いなく知名度の拡大には繋がっており、2016年は本業のソロでどう仕掛けるのか、注目しておいた方がよさそうです。昨年の上位組も、東京パフォーマンスドールや乃木坂46は引き続き支持をキープ。100位以内で注目度の高い上昇傾向が見られたのはWHY@DOLL(+6位)、Cheeky Parade(+35位)、乙女新党(+37位)、Chu-Z(+97位)、predia(+113位)の5組でした。
WHY@DOLL
2015 最高24位 『曖昧MOON』(前年から+6位)
2014 最高30位 『Magic Motion No.5』
2013 最高72位 『ふわふわ♪Party』※*7
2012 最高376位 『Fight!』
predia
2015 最高98位 『美しき孤独たち』(前年から+113位)
2014 最高211位 『壊れた愛の果てに』
2013 圏外
2012 最高322位 『Melty Snow』
2011 ノミネートなし
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中堅グループの推移
ここでは2010年前後の『アイドル戦国時代』にデビューや人気を上昇させたグループについて、その推移を追っています。(※CDデビュー年はメジャー・インディーズ関係なく、1stシングルをリリースしたタイミングで記載)2010年代も半分が過ぎ、ブームスタート時に中高生だった世代も20代に突入するなど人気を支えたアイドル/ファン双方が大きな変わり目を迎えている昨今ですが、外部プロデュース体制を取り入れ目新しさがあったLinQ、レーベル移籍にともなう話題で再注目されたバニラビーンズがそれぞれ順位を上げました。*8
ただメジャーアイドル楽曲部門自体の投票減(前年から-482票)が重なったこともあわせ、DD票を取りにくいこのゾーンは軒並み順位を落とす結果となってしまっています。恐らくこれから数年はこの傾向が続くと思われますが、その中で今年の1位は2003年結成のNegiccoであるという事実には、学ぶものが沢山ありそうです。
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大手アイドルグループの楽曲大賞2015
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ハロプロ楽曲大賞とのダブルノミネート
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2015年解散
アイドリング!!!
2015 最高122位 『~などあって ~良きところで』
2014 最高121位 『Shine On』
2013 最高105位 『さくらサンキュー』
2012 最高49位 『One Up!!!』
2011 最高11位 『Don't think. Feel !!!』
2011 最高13位 『機種変エクスタシィ』
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総評
2014年というクッションを挟んでいよいよ”ブームの次の時代”を歩み始めた2015年。
…メジャーアイドル楽曲部門では最終的にT-Palette Records所属のアイドルが上位6位までを占めるということになったわけですが、もうなんというかこれは、「来るべき時が来た」ということば以外の表現が思いつかず。2015年の作品が弱かったというより『行くぜっ! 怪盗少女』『鼓動の秘密』『ワナダンス!』『恋するフォーチュンクッキー』が連続投入された2010~2013年あたりの流れがむしろイレギュラーだったんじゃないかなー。そして祭りが過ぎ、その真っ只中から先を呼んでいたTパレというフックが残ったのも割と順当で。無理にフォローするのもおかしいし、かといって悲観的とはまたちょっと違う。一定期間以上アイドルを追っかけてる体感として、この並びがありのままの今のアイドルシーン、そのものだと思います。
その上で、これから残っていくコアのファン層はこれまで以上に、良いステージや楽曲を意識的に見つけ出していく姿勢が必要になってくるよなと。いや趣味といってしまえばそれで終わりなんですけど、ただこうして数字や順位が示されると、2016年のアイドルたちがすでに「祭り」なんて言葉じゃ片付かないほどの熱量を投じ、青春を投じて今ここにいることも、改めてはっきりと浮かび上がってきます。
完璧じゃなくていいけれど、頑張っている人の努力はなるべく見つけたい。それがたとえ、どんな時代であってもです。
アイドルが夢であり続けられるように、アイドルが大切な何かを得られる夢であり続けられるように、今後も楽曲大賞を通じてワイワイとその入り口を守ることができたらいいな、そんなことを、ギミックよりもシンプルなメッセージやストーリーが勝っていた2016年のメジャー部門を見ていて一人改めて感じました。
(インディーズ・地方アイドル楽曲部門のまとめにつづく)
<その他楽曲大賞2015に関するまとめ>
「ハロプロ楽曲大賞2015のまとめ(展望もあるよ)」
「アイドル楽曲大賞2015のまとめ(インディーズ/地方アイドル楽曲部門)」
<歴代まとめ記事>
drifter-2181.hateblo.jp
drifter-2181.hateblo.jp
<その他アイドル曲のまとめ>
「おすすめアイドル曲のまとめ」
twitter / 自分について
@drifter_2181 / 自分について
*1:2014年12月15日付 オリコン週間シングルランキング5位
*2:インディーズ・地方アイドル楽曲部門
*3:インディーズ・地方アイドル楽曲部門
*4:インディーズ・地方アイドル楽曲部門
*5:インディーズ・地方アイドル楽曲部門
*6:増減10位以内
*7:インディーズ・地方アイドル楽曲部門
*8:ただしバニビは解散をかけた順位勝負という話題でもあったため、手放しでは喜びにくい部類であったことも補足で書いておきます
*9:部活動除く
*10:最高位が200位以内で、グループ在籍中のソロデビューは除いています。手作業なので漏れがあったら教えてください!
*11:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*12:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*13:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*14:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*15:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*16:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*17:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*18:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*19:2015年からT-Palette Records所属のためノミネート対象に
*20:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行
*21:昨年まではインディーズ部門でのノミネート、2015年メジャー部門移行