不参客:予約金導入で基本マナー向上を図れ

米国でも90年代初めに予約金導入、予約取り消し率は4%に
「望ましい消費者文化を築いていくべき」との声も

 韓国で深刻化している「ノーショー(予約の取り消し)」を根絶するため、専門家たちは、顧客に対し「飴と鞭」の施策を同時に講じる必要があると指摘した。

 ノーショーによるサービス業の損失を減らすため、予約金や違約金など最小限の強制的なシステムを導入するのと同時に、予約をきちんと守る良心的な顧客にはメリットを与えるべきだというわけだ。

 慶煕大学外食経営学科のコ・ジェウン教授は「かつて、米国のレストランもノーショーに苦しめられたが、1990年代初めに一部のレストランが予約金制度の導入を強行し、それが全米に広まった」と話した。

 実際、米国やカナダなどで約3万2000カ所のレストランの予約を代行しているスマートフォン(多機能携帯電話端末)のアプリ(アプリケーション=応用プログラム)「オープンテーブル」は、予約を守った顧客に対し、飲食代に応じて100-1000ポイント(100ポイントにつき1ドル=約120円)を付与している。このポイントは、オープンテーブルで飲食代を決済する際に使用できる。昨年初めから9月末まで、オープンテーブルでの予約を取り消した比率は4%にすぎない。一方、本紙が昨年10月に行った調査の結果、韓国の飲食店での予約取り消しの比率は20%に上った。

 望ましい消費者文化を築いていくべきだと指摘する声も出ている。韓国消費者業務協会のユ・ドゥリョン会長は「自分の都合のいいように、予約した時間に行かなかったり、遅れて行っても席を空けるよう言い張ったりするのは、消費者の権利として容認してはならない」と指摘した。

 だが「顧客は王だ」という感覚が根付いている韓国で、顧客の抗議に対し、サービス業の事業主や従業員が立ち向かうというのは、この上なく難しいことだ。

 忠北大学消費者学科のユ・ヒョンジョン教授は「予約を守るということは基本的なマナーだ。飲食店などのサービス業でも、予約を守る顧客に対し、インセンティブなど差別的なサービスを提供する必要がある」と指摘した。

オ・ロラ記者 , イ・ミンソク記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース