Updated: Tokyo  2015/12/28 18:19  |  New York  2015/12/28 04:19  |  London  2015/12/28 09:19
 

イエレン氏:特異な要因が物価抑制と指摘-インフレ加速の自信裏付け

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    (ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長にとって、現在の過度の低インフレ率は「一時的」なだけでなく、「特異」なものでもある。

2006年以来の政策金利引き上げを決めた15、16両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の後、記者会見したイエレン議長は物価抑制の原因として、医療費と「やや理解が困難な非市場的価格」の動向の2つを新たに指摘した。

同議長は「コアインフレ率に影響を及ぼすさまざまで特異な要因がある」としつつも、「インフレ率が従来と違う方法で決まる世界にわれわれが置かれているとは個人的には考えていない」と語った。

この発言は、成長を促進して失業を減らすために金利を引き続き低水準に維持することで、物価の上昇ペースが多少加速すると同議長が確信していることを意味する。医療費に関しては議長は思い当たることがあるようだ。

医療費は確かに過去数年間にわたり、物価の伸び抑制の方向に作用してきた。11月の医療費上昇率は前年同月比0.9%にとどまり、個人消費支出(PCE)価格指数のうち変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数の同1.3%を下回った。

SGアメリカズ・セキュリティーズの金利セールス・ストラテジスト、オメイア・シャリフ氏は、15年の医療費の伸び抑制をもたらした主因として、メディケイド(低所得者向け医療保険制度)での2年にわたった医師への政府診療報酬引き上げが年初で失効したことを挙げた。

シャリフ氏は、こうしたことが「一度限り」の法令変更であることを金融当局者は承知しているため気にとどめることはないと指摘。「先行き圧迫要因でなくなっていくため、インフレは加速に向かう」との見方を示した。

非市場的価格については、イエレン議長は恐らくPCE価格指数の中でも需給力学への直接的な関連性の低い、帰属費用を指しているものと考えられる。金融サービスや保険に支払われる価格はPCE価格指数で7%を占めており、金融サービスなどの帰属コストが物価を抑制している可能性がある。

原題:Yellen Price-Quirk Focus Shows Confidence in Inflation Comeback(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Michelle Jamrisko mjamrisko@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net

更新日時: 2015/12/28 14:01 JST

 
 
 
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