年を追うごとに、アップルの製品ラインは多様化しています。例えば、2016年に発売予定のiPhone7シリーズは、ディスプレイサイズだけでなく、iPhone7が2GB、7 Plusが3GBといった風に、RAMでも大きな差が設けられるという話が出ています。
こういった傾向は、ユーザーが自分に合った製品をアップルのブランド内から選べるようになる一方、個々の製品同士がシェアを奪い合い、製品の良さが複雑化によって伝わらなくなくなってしまうのではないかという懸念もあります。これについて、ニュースサイト威锋网が興味深いコラムを掲載しているので、以下に紹介したいと思います。
最大のライバルは自分自身へ
12インチのRetina MacBookやApple Watch、iPhone6s/6s Plus、iPad Pro、21インチ4K iMac、そしてApple TV4――これらは皆、2015年にアップルが出したハードウェアです。それぞれの製品が皆、処理性能、ディスプレイ、美しい形状でユーザーを魅了してきました。他のブランドに比べ、アップルの全製品が最も優れているというわけではないかもしれません。しかし、少なくともライバルに相対したとき、アップルが受けるプレッシャーはそれほど大きなものではないはずです。
実際のところ、過去数年間で、アップルは業界内で最も大きなライバルが自分自身になってしまったと言えるでしょう。互いの製品が補完していると言えば聞こえが良いですが、シェアを奪い合っているという穿った見方もできるかも知れません。この傾向は来年も変わることなく、アップルは終始自分の存在そのものが最大のプレッシャーとなることでしょう。
多様化する製品ライン
もし、細かな点に気づくことが出来たならば、今のアップルが抱える3つの主要製品―iPhone、iPad、そしてMacがどんどんと多様化し、互いが市場において競争関係にあることが分かるかと思います。例えば、現行iPhoneは4.7インチのiPhone6sと、5.5インチのiPhone6s Plusですが、もしアップルが噂にあるようにiPhone5sをアップデートさせた4インチiPhoneも出すとするならば、市場には3つの異なるiPhoneが同時に発売されることとなります。
iPadも同様です。iPad Proの登場によって、iPadの製品ラインは9/7インチ、7.9インチ、そして12.9インチの3つに増えることとなりました。
iPad miniが世に出るや否や、早速9.7インチiPadの市場を奪い始めたことを考えれば、さらに大きなディスプレイを配した製品を新たに市場へ投入したことによって、アップルが自分の製品同士でより一層競争を激化させる羽目になったという状況は、よく分かるところでしょう。それでもiPad Proは例外だ、と思うかも知れません。しかし結局のところ、これもまたiOSを搭載した製品なのです。
Apple Online Storeに掲載されているMac整備済製品リストの一部。13インチ台のMacBookでも多種多様だ
Macの製品ラインに至っては、iPhoneやiPadより多様化が顕著です。今年12インチのRetina MacBookを出したことで、さらにラインナップが増えることになりましたが、現在MacBookシリーズは、ディスプレイのサイズのみならず、Retinaディスプレイか否かでも差別化を図っている有様です。
確かにアップルは、「自分たちの製品で競争している限りは、心配する必要がない」と述べています。しかし、こういった傾向が今後もさらに続いていき、iPhoneやiPad、そしてMacの製品ラインがますます多様化するとするならば、これらの製品をこれまでのように、際立って優秀なものとしてリリースし続けていくことは、果たして可能なのでしょうか。
Source:威锋网
(kihachi)