“格安スマホ”の料金が安い理由

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  • 2015年12月7日

1. コストの違い

docomo、au、Softbankなど従来の携帯電話キャリアは販売、サポート、電話機調達などで高コストな体質となっていますが、MVNO(格安スマホ)は多くの点でコストを抑えることにより低価格なサービスを実現しています。

携帯電話キャリア MVNO(格安スマホ)
✓年間数千億円の設備投資
✓年間数千億円の運用/保守費用
ネットワーク ✓無線ネットワークの投資は不要
✓利用に応じたネットワークコスト
✓大規模なコールセンター
✓全国数千店のキャリアショップ
サポート ✓オンラインサポートが中心
✓店頭での代理店販売が中心 販売方法 ✓オンラインでの直販が中心
✓割高なキャリア専用モデル
✓実質、端末代金は通信料金で回収
電話機 ✓割安なグローバルモデル
✓端末代金と通信料金は別々

2. ネットワークコストと通信速度

格安スマホは様々なコストを削減して低料金を実現していますが、最も影響が大きいのがネットワークコストです。そしてネットワークコストと通信速度は密接に連動しています。

MVNOは携帯電話キャリアからネットワークを卸してもらいサービスを提供していますが、卸料金はキャリアとMVNOを結ぶ “接続回線の太さ=利用者全体の通信速度の上限” に対して決められています。
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「格安スマホは昼休みに遅くなる」のは、この接続回線の渋滞によって発生します。
(>”格安スマホ”の通信速度が遅くなる理由)

携帯電話の卸料金は各キャリアの約款で定められており、全てのMVNOに対して同じ料金で提供されています。大半の格安スマホが利用するdocomoでは約100万円/10Mbpsです。

(2015年12月現在)

「利用者数ではなく接続回線の太さ(利用者全体の通信速度上限)で料金が決まっている」
ということが格安スマホの料金設定において重要なポイントとなります。

「格安スマホのネットワークコスト」

ユーザー数(10Mbps当たり)

月間コスト
(一人当たり)

「1,600円/月」で提供できるか?

 500人 2,000円 赤字になるので提供できない
1,000人 1,000円 ネットワーク以外のコストもかかるので厳しい
2,000人  500円 問題なく提供できる

このように「接続回線に対して何人のユーザーを割り当てるか?」または「ユーザー数に対して接続回線をどの程度の太さにするか?」によってネットワークコストは変動します。

「10Mbpsの太さで、何人のユーザーまで収容できるか?」

「ユーザーによって全く異なります。」

たまにWEBやSNSを利用する程度のライトユーザー中心なら、10Mbpsあたり2,000人のユーザーがいても、それほど速度低下は発生しないかもしれません。
これは、同じ時間帯に全員が利用しているわけではなく、また利用している人でも常にデータが流れているわけではないからです。

一方、10Mbpsの回線の中で、大量のデータが流れ続ける動画ストリーミングを同時に10人以上利用したら一人当たりの速度は1Mbps以下になってしまいます。
そのため動画を利用するユーザーが多ければ、10Mbpsあたり100人であっても時間帯によっては速度は低下するかもしれません。

多くのサイトで行われている格安SIMの速度比較で、MVNOによって速度に差があるのは
「どのようなユーザーを、何人くらい収容しているか?」に差があるからです。

また、同じMVNOでもユーザーが増えると速度が遅くなり、接続回線を増強した直後は速度が速くなるというように時期によって異なることもあります。

格安スマホであっても、データ通信の多いユーザーに対しては、接続回線も十分に太くしないと速度維持ができません。(=月々の料金も高くなってしまいます。)
「無制限だけど低価格」というサービスは大幅な速度低下を許容しないと成立しないのです。

いずれにしても「料金の安さ」と「集中時の通信速度」はトレードオフの関係です。
「利用が集中する時間帯はキャリアよりも速度が遅くなる」ことを許容することにより、キャリアよりも圧倒的に安い料金で提供できるといえます。

G-Phoneはキャリアから直接ネットワークを借りるのではなく、大手MVNOから仕入れたものにオプション、サポートを組合わせサービスを提供しています。

※ MVNOの選定は、料金と通信速度のバランスを考慮して決定しています。

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