matono - こころ,コミュニケーション,メンタル,仕事術 12:30 PM
苦しい時もあきらめない、我慢強い人に共通する「2つの性質」
インスタントラーメンの発明者からどんなことが学べると思いますか? ベンチャーキャピタル「Y Combinator」の支援を受けているシリアルアントレプレナーのネイサン・コントニー氏によると「数分間でおいしいカップ麺をつくる方法」だけではないようです。
最近「Quartz」でコントニー氏は、日清食品の創業者であり「チキンラーメン」や「カップヌードル」の生みの親である安藤百福の感動秘話を共有しました。投獄や拷問を受けるなど、時代の波に翻弄され数奇な運命を辿った末に、お腹を空かせた貧乏学生を救う、7,000億ドルの価値のある大発明をしたのです。安藤の人生はひとことで言えば「忍耐」です。コントニーは、信じられないほどの挫折があったにも関わらず、何が安藤を前に進ませたのかを調べました。
勝算がないのに前進し続けた理由
コントニーは、桁外れに我慢強い人たちが前進し続ける理由を「そういう性格なのか?」「状況に何か共通点があるのか?」などとあれこれ考えるよりも、まったく逆の質問「なぜあきらめないのか?」を考えた方が、答えが見つかると言います。
コントニーは、シラキュース大学教授ヴィンセント・ティントとフランスの著名な社会学者エミール・デュルケームの研究に答えを見出しました。1世紀ほど前、この2人はまだ一緒に研究しておらず、まったく違う問題を扱っていました。ティントは中退する学生とそうでない学生の違いは何か、デュルケームは自殺に関する研究です。しかし、どちらの研究も似たような結論に達しました。逆境や困難に直面した時の忍耐力は、精神的な強さではなく、他人の存在があるかどうかだということです。誰かのサポートが無いと、人はあきらめてしまいやすいのです。
その発見について、コントニーは一言で「孤独でない人は忍耐強い」と書いています。
安藤の波瀾万丈の人生に興味がある人は、こちらで記事全文(英語)を読むことができます。しかし、困難に直面した後の立ち直り方を手っ取り早く知りたいなら、教訓はいたってシンプルです。「人間関係は、空中ブランコ乗りにとっての安全網のようなものだ」ということです。頑丈で、大きければ、落ちても守ってもらえ、それ無しだと、大惨事が起こる可能性があります。
薄っぺらな人間関係は要らない
コントニーは、この話から得られる別の教訓も明らかにしようとしています。地元の表面的な交流イベントに顔を出す必要はないということです。やるべきことは、本当に助けが必要な時に、助けを求めることです。コントニーはこのように言っています。
私は、友だちや長年にわたって培ってきた人間関係から、かなり助けてもらってきました。そしてわかったのは、おしゃべり上手になったり、うわべだけの握手をしたり、気まずい交流会のようなイベントに参加しまくる必要はないということです。私はかなり内向的な人間です。カンファレンスに行っても、一番後ろの列に座り、一番最初に退席できるようにしています。パーティーのようなものにはほとんど行きません。
ちょっとしたメールをしたり、時々近況報告をしたり、たまに本音で話したりすることで、忍耐力がつくのかと思うかもしれませんが、実際には自分から求めなければなりません。
そのような友だちや仲間に正直であることを恐れないでください。助けが必要なら、助けを求めましょう。多くの人が、特に会社を経営している人は、孤立することに苦しんでします。人間は、苦しい時は友だちや助けてくれそうな人に見せたくない、という傾向があります。課題というのは失敗と似たような感じがするからです。自信があるように振る舞えとか、"成功するまで、できるフリをしろ"と言われてきましたが、それは意味がありません。
The 1 Thing All Highly Resilient People Have in Common|Inc.
Jessica Stillman(訳:的野裕子)
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- 斎藤 一人PHP研究所