Jトラスト藤澤信義社長「韓国のためになることをしてきたのに…」

藤澤信義氏インタビュー
貸付業で韓国進出も後に売却
世論の反発で韓国野球チームのスポンサーにもなれず
カネを稼ぐ秘訣は「他人のまねをしないこと」

 藤澤氏は独特の経歴を持つ事業家として日本で有名だ。東大医学部に入学後、何度か休学した末に9年かけて卒業。卒業後は2年間、ゲームセンターのマネジャーとして働き、30歳を過ぎてから不動産担保融資会社に入社し、優れた実績を挙げわずか3年で同社の社長に就任した。当時の社員数は50人、年間売上高は150億ウォン(約15億5000万円)だったが、藤澤氏は同社を基盤に数回の合併・買収(M&A)を経て、約6年後には保証、クレジットカード、債権回収、エンターテインメント、不動産、ITシステム事業を手がける1兆1700億ウォン(約1209億円)台の総合グループ企業を築いた。

 藤澤氏は「大学の授業は興味がなくて全く集中できなかった。『おもしろいことをやってみよう』と思い、大学在学中を含め7年にわたりゲームセンターで働いた。だんだん飽きてきたころ高給にひかれて不動産会社に入社し、おもしろくて仕事にのめり込んだことで高い成果が出た」と振り返る。

 Jトラストは11年の韓国進出を皮切りに、シンガポールやインドネシアの金融市場にも進出した。グループの総資産は今年9月現在で4兆6600億ウォン(約4814億円)。藤澤氏は「新たなチャンスを見つけるため2年ほど海外市場を調査し、韓国の第2金融圏(貯蓄銀行や投資信託会社など)が高い発展の可能性を秘めていることを確かめた上で進出した」と言い「この先、条件が合えば第2金融圏に属する会社や不動産関連会社を買収する考えもある」と明かした。

 藤澤氏はまた、多額の利益を生み出した秘訣(ひけつ)を問う質問に「カネを稼ぎたいと思う人ほど稼げない。誰もがカネを稼ぎたいと思うため、その人たちと同じ行動をしていては稼ぐことができず、他人のまねをしていてもいけない。独創性(オリジナリティー)と開拓者精神(フロンティア・スピリット)が重要だ」と指摘した。

キム・ジソプ記者
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