Jトラスト藤澤信義社長「韓国のためになることをしてきたのに…」

藤澤信義氏インタビュー
貸付業で韓国進出も後に売却
世論の反発で韓国野球チームのスポンサーにもなれず
カネを稼ぐ秘訣は「他人のまねをしないこと」

 「私たちが韓国で悪いことをしているわけではないでしょう? 正直言って、最初は理解し難かったです」

 韓国で貯蓄銀行2行とキャピタル会社1社を経営する日系金融グループ、Jトラストの藤澤信義社長(45)が14日、ソウルのJTキャピタル江南本部で韓国メディアのうち初めて本紙とインタビューを行った。

 藤澤氏は、韓国プロ野球チームとのメーンスポンサー契約が不発に終わったことに無念さをにじませた。Jトラストは今年下半期、ソウルを本拠地とするネクセン・ヒーローズと年間110億-120億ウォン(約11億4000万-12億4000万円)規模のメーンスポンサー契約を推進し、締結直前までいっていた。だが10月、このことが知られると「貸付業にルーツを置く日系企業が韓国プロ野球チームのスポンサーになることは許せない」というファンの反発が強まり、契約は実現しなかった。最終的に、ヒーローズは先月、既存のスポンサーであるネクセンタイヤと3年契約を結んだ。

 Jトラストは2011年に貸付業者を買収して韓国市場に進出し、昨年初めにはさらに2社の貸付業者を買収したが、1社は昨年7月に債権管理会社に転換し、残り2社は今年10月に売却した。貸付業からは完全に手を引いたことになる。

 藤澤氏は「12年に破綻した韓国企業(未来貯蓄銀行)を買収して100パーセント雇用を継続し、現在は1000人を超える韓国人社員が働いている。総じて韓国のためになることをしてきたと思っていたので、Jトラストに対する反感は全く予想できなかった」と述べた。

 Jトラストに対する国民の反感は9月にも表面化した。女優のコ・ソヨンさんがJトラストのコマーシャルに出演したところ世間の批判を浴び、すぐに出演契約を解除したのだ。藤澤氏は「歴史などさまざまな問題が絡んでいるため、韓日の政府間の関係は良くないかもしれないが、経済をはじめとする民間分野では互いに協力し、活発に交流すべきであり、日系という理由で非難されるべきではない」と指摘する。

キム・ジソプ記者
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