光復(日本の植民地支配からの開放)から70年となる今年、ソウル市中心部の光化門広場に大型の太極旗(韓国の国旗)掲揚台を設置するという国家法勲処の計画が頓挫する可能性が出てきた。
国家法勲処は15日「ソウル市が光化門広場の太極旗掲揚台設置は認めないと正式に通知してきた」と明らかにした上で「行政協議調停委員会に調停の申請を行うなど、できる限りの対策を進め、光化門広場に太極旗を掲げることができるよう努力したい」とコメントした。
国家法勲処とソウル市は今年6月、光化門広場に大型の太極旗掲揚台設置を取り決める覚書を交わしていた。
ところが具体的な計画案が取りまとめられると、双方の意見の違いが表面化し始めた。報勲処は光化門広場に高さ45.815メートルの旗竿を設置する計画を提出したが、広場の用途を審議するソウル市の「開かれた広場運営市民委員会」は「あまりにも高すぎるため安全面で懸念がある。事故が発生する恐れがある」などと指摘し、計画に反対した。ある委員は「光化門広場に太極旗を常時設置するのは時代の流れに逆行する」との意見を出していた。
掲揚台を常設とするか、あるいは年末までの一時的な設置とするかでも意見が食い違った。ソウル市は今年の年末までとしているが、報勲処は光化門広場に期限を定めず常設すべきとして譲ろうとしない。
交渉の結果、報勲処は広場横の市民広場に掲揚台を常時設置するという修正案を出した。ところがソウル市は先月23日「掲揚台を常時設置するのであれば、広場周辺の政府庁舎や大韓民国歴史博物館など、政府の敷地を利用すべきだ」との立場を伝えた。
報勲処の関係者は「光化門の太極旗掲揚台設置事業は光復70年記念事業の一つだ」とした上で「ソウル市は国民との約束を破っている」などとして強い不満を示した。