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猪谷さん、図書館の選書に懸念 都内で講演

武雄と伊万里市を事例に

2015年12月17日 12時34分

「図書館は民主主義のインフラ」と語る猪谷さん=東京都・内幸町の日本新聞協会
「図書館は民主主義のインフラ」と語る猪谷さん=東京都・内幸町の日本新聞協会

 米大手ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」日本版のレポーターで、『つながる図書館』(ちくま書房)の著書があるジャーナリスト猪谷(いがや)千香さんが16日、「図書館の役割を問い直す」をテーマに都内で講演した。佐賀県武雄市や伊万里市を事例に、図書館の新たな機能への期待が高まる一方、選書問題で「政治的な中立性が保たれるのか」と懸念を示した。

 猪谷さんはTSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が連携する図書館や図書館計画が広がった動きを、「武雄市が年間92万人の来館者を集め、経済効果20億円と発表した。財政がひっ迫した自治体にとって、図書館を使って集客というのは必然の流れ」と指摘した。

 選書問題を機に各自治体は教育委員会などが選書に携わる対応に入ったことを取り上げ、「選書は独立的でなければならない。外部からの介入を許せば、政治的な影響なども受けかねない」と危惧した。

 また伊万里市民図書館を「公立図書館員の憧れる市立図書館」と紹介。市民が将棋や碁を楽しめるベンチの仕掛けなどを「市民の声を取り入れ、行き届いている」と高く評価した。講演は新聞社や放送局などでつくるマスコミ倫理懇談会の12月例会で開いた。

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