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 金星探査機「あかつき」が7日、5年前に失敗した金星周回軌道入りに再挑戦した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、投入のためのエンジン噴射を予定通りに終えられたことから、軌道投入の成功に「大変期待が持てる」との見方を示した。最終的な成否は、詳細な確認を経て9日に公表される。

 あかつきの金星周回軌道への投入は、打ち上げ半年後の2010年12月7日以来。前回は主エンジンが破損して失敗し、次に金星に近づくタイミングを待っていた。すでに4年半の設計寿命を超え、残りの燃料も少ないが、出力の弱い姿勢制御用エンジンを使い、最後のチャンスにかけた。

 噴射は予定通り、午前8時51分から20分28秒間だった。プロジェクトマネジャーの中村正人教授は記者会見で「方向や量が予定とほぼ同一。千載一遇のチャンスをものにしたチームの底力を感じている」と自信をのぞかせた。懸念された耐久性についても「こんなに堅牢と思っていなかった。『意外と頑丈だったね』と(探査機を褒めたい)」と笑顔をみせた。