【寄稿】中国の構造改革は韓国経済にとって「両刃の剣」

【寄稿】中国の構造改革は韓国経済にとって「両刃の剣」

 ある投資家が最近こんなことを聞いてきた。「中国経済が構造改革の途中でハードランディングした場合、韓国経済はどうなるんでしょうか」。私が「当然、韓国経済への打撃は大きいでしょうね」と答えると、投資家は続けてこう質問してきた。「それでは、中国経済が構造改革に成功し、ソフトランディングという形になれば、韓国経済はどうなるでしょう?」。私が「当然、韓国経済にとってはプラスになるでしょうね」と言うと「うーん」という表情を見せた。構造改革が成功すれば中国企業の競争力が回復し、韓国企業と韓国経済はさらに苦しくなる可能性があるのでは、というわけだ。中国経済が好況に沸いても低迷しても韓国経済は大変だろう、という話なのだが、どこか矛盾しているように聞こえる。コインを投げて表が出れば自分の勝ち、裏が出ればあなたの負け、と言っているようなものだ。

 しかし、よく考えてみればそのような悲観的な指摘にも、注目すべき点がある。何といっても韓国の中国経済に対する依存度は主要国の中で最大だ。韓国の対中国輸出額は国内総生産の10%を占め、台湾と香港を除けば最も高い。そのうち中国の国内需要に依存する付加価値割合は韓国の国民総所得の5%に達し、依然として最も高い。米国の中国内需依存度が米国の総所得のわずか0.6%であるのに対し、韓国の中国依存度はおよそ10倍ということになる。中国の急激な成長鈍化はマクロ経済の面から見ると韓国にとってマイナスとなる。

 さらに重要なのは、構造的な面が産業競争力に及ぼす影響だ。韓国の主力産業である鉄鋼・造船・機械・化学など重化学工業は中国とかなりの部分で競合している。それに加え、これらの分野をサービス業や新たな産業に転換する必要性があるのも、中国・韓国とも同じだ。このため中国が構造改革に成功すれば、構造改革が相対的に遅れている韓国にとって、ミクロ経済の面で大きな試練になるだろう。中国は数年前にすでに造船業の構造調整を始め、最近では鉄鋼部門にも拡大している。こうした重化学工業の構造調整によって生まれる余剰資源と遊休人員は、金融をはじめとする各種サービス業や、高付加価値の新規ベンチャー事業といった分野で吸収しようとしている。

クォン・グフン(ゴールドマン・サックス・チーフエコノミスト)
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