先ごろ、本紙はこのようなキリギリス行員らの実態を指摘した。記事では次のようなケースが紹介されている。「京畿道城南にあるA銀行の支店に勤務していた40代のベテラン行員パク次長は、過去3年間で融資、預金、ファンドなど商品販売実績が1件もなかった。朝は平気で遅刻し、勤務時間にネットで将棋をすることもあった。たばこを吸ってくると言っては20-30分ごとに席を外した。ついたあだ名は「怠け者」。パク次長はそれでも約1億ウォン(約1000万円)の給料をもらっていた」
金融労組のある幹部はこの日、セミナーの最後にマイクを握り、成果給の拡大について「短期的成果に対する過剰な競争を誘発するため(結局は)銀行の健全性を損なう」と主張した。
この幹部は「融資の審査が(念入りに)慎重に行われず、攻撃的に行われると考えてみてほしい。銀行はあっという間に潰れるだろう」と話した。等級に基づく現行の給与体系を年俸制に変更することについて「官治(国が自己の機関により直接、行政を行うこと)」だとも主張した。「力のない頭取たちをねじ伏せ、罪のない一般行員の賃金を削減するのが政府の言う金融改革なのか。官治金融の撤廃が最優先だ」。これは、ただよどんだ水のように生きるという話に聞こえた。グローバル金融競争や銀行の収益性悪化、顧客の不満などには関心がなく、成果給や年俸制といった言葉も聞きたくないという。そんなことより、とにかく今までどおり銀行員4人に1人が1億ウォン超の年俸をもらえるようにしてほしいのだろう。私にはそう言っているように聞こえた。