中国に次ぐ「世界の工場」に数えられるインドに対する北東アジア3カ国の昨年の投資実績だ。中国、日本とは対照的に韓国だけが前年よりも投資が減少した。昨年5月に就任したインドのモディ首相は「インドはもはやコールセンターやソフトウエアの国ではない」として、製造業強国「メイク・イン・インディア」を主張する。それを受け、世界的な企業による対インド投資が活発化しているが、韓国だけがトレンドに逆行している格好だ。
■中国、日本の攻勢
対インド投資で優等生は日本だ。デリーから115キロメートル離れたラジャスタン州ニムラナには日本企業専用の工業団地がある。250万平方メートルの敷地に45社が進出し、9100人を雇用している。それでも不足し、そこから車で30分離れた場所に「第2の日本企業団地」を造成している。
個別企業の動きも活発だ。いすゞ自動車は300億ルピー(約560億円)を投資し、アンドラプラデシュ州スリシティーに年産12万台規模の自動車工場を建設する。ホンダはラジャスタン工場の生産規模を年12万台から18万台に拡充。ソフトバンクはインドの複合企業バルティなどと合弁で200億ドルを投じ、インドに20ギガワット規模の再生可能エネルギー発電を行う。
国境問題で一時はインドと戦争まで起こした中国も現在は異なる。商用車メーカーの北京福田汽車(Foton)は先月、インド工場の建設を決定。通信設備大手の華為技術(ファーウェイ)はインド南部タミルナド州に電子製品、通信機器の生産拠点を設ける許可をインド政府から取得した。
欧米企業も自動車、電機・電子・通信、食品加工、家具など業種を問わず、活発に対インド投資を行っている。メルセデス・ベンツ、GMなどは既存工場を拡張。フォードは今年下半期に完成する研究開発センターで新モデルを開発する計画だ。スウェーデンのエリクソンに加え、ドイツのボッシュ、シーメンスによる合弁会社BSH、家電製品の工場拡張を決めた。
韓国貿易協会国際貿易研究院のソン・ソンイ研究員は「インドの来年の経済成長率は7.5%が見込まれ、中国を抜くことが確実だ。思い切った対インド投資が韓国経済の新たな活路になる」と述べた。