【コラム】韓国の資本主義、根底に「愛国」

 「白山」という号を持つ安熙済は、金九(キム・グ)、金佐鎮(キム・ジャジン)と並び、日帝が最も恐れた人物の一人だ。安熙済の白山商会が上海臨時政府の資金源だったことから、そこに出資した許駿に行動は、当時の富豪が最もためらっていた独立運動そのものだった。許駿の息子、許万正はもっと大胆だった。晋州女子高校の前身である晋州一新女子高等普通学校を設立し、現在の南海大橋付近に李舜臣(イ・スンシン)将軍を称える忠烈祠の建立に資金を提供。被差別階級だった白丁の解放でも先頭に立った。当時の親子の会話がエピソードとして残っている。

 父・許駿が「カネを何に使ったのか」と尋ねると、息子・許万正は「学校の設立に全部つぎ込みました」と答えた。すると、父は「よくやった。カネはそうやって使うものだ」と言い、それ以降は資金の用途を尋ねることはなくなったという。親子の活躍はそれだけにとどまらない。

 許万正はイ・ビョンチョルと趙洪済が三星(サムスン)商会を設立した際、長男・許正求(ホ・ジョング)元三洋通商名誉会長(1911-99)を送った。また、具仁会の楽喜化学工業社(現LG化学)には三男の許準九(ホ・ジュング)元LG建設名誉会長(1923-2003)を合流させた。つまり、サムスン・LG・GS・暁星・新世界・CJのルーツは事実上一つだ。

 韓国企業は最近、モラルを欠くとか「犯罪財閥」などと認識されているが、本来韓国の資本主義のルーツは美しいものだった。我々の資本主義の出発点が愛国・民族愛だったことを明らかにすることで、虚妄な左派は立つ瀬を失い、富豪たちも正気を取り戻すはずだ。

文甲植(ムン・ガプシク)上席記者
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