■カメラ目線:親近感と癒し
モデルのイ・ソンギョンが歌った「Eat」動画(420万回)、EXIDハニの子守歌動画(350万回)など人気動画の共通点はカメラ目線だ。動画の主人公がカメラを見つめて歌う。歌手がまるで動画の視聴者を見ながら歌を歌ってくれるような錯覚に陥る。こうした動画には「彼氏(彼女)が歌を歌ってくれているようだ」「友達に慰めてもらっている感じ」などのコメントが多数付いている。それほど親近感があるということだ。また、キム・グァンソクやユン・ジョンシンなど励ましや癒しのメッセージが込められた歌の動画も平均より高い再生回数をマークしている「キラー・コンテンツ」だ。
■縦画面:モバイル環境に合わせて
ユーチューブ・フェイスブックの「ディンゴ・ミュージック」(フォロワー52万人)というチャンネルには「縦ライブ」という人気コーナーがある。スマートフォンの画面に合わせて縦画面で歌手たちのライブ映像をアップするのだ。単に縦画面で撮影するのではなく、字幕や特殊効果などをスマートフォンに合わせて演出するのが特徴だ。このコーナーをきっかけにMAMAMOO、ユ・スンウ、パク・アヨンなど一般には知られていなかった歌手たちが再生回数200万回以上を記録した。音楽の主な消費層である10-30代がSNSを通じて即座に彼らの動画を友達と共有したことからヒット曲が生まれたのだ。特にパク・アヨンはテレビ番組などにほとんど出ていなかったが、一般人がこの歌を歌う動画をアップし、共有し合うことで口コミで広がり、人気が出て音楽配信サイト「Melon」のチャート1位になった。
MAKEUSのキム・ホンギ取締役は「ミュージックビデオやテレビ出演などの従来の方法で音楽を紹介した時代は過ぎ去ろうとしている。似たり寄ったりのミュージックビデオやライブ動画でなく、スマートフォンで人々の目に止まる動画と音楽をうまくミックスさせることができるコンテンツの開発が必要だ」と語った。