【寄稿】多数決という常識が通じない韓国国会

【寄稿】多数決という常識が通じない韓国国会

 「犬猿の仲」とは、韓国の与野党のことを指すのだろう。韓国の政界は右派と左派に分かれ、何事につけても対立し、争ってばかりだ。左派の野党は、右派の政権・与党がやろうとすることにはまず反対し、場外に飛び出して国会をボイコットするかと思えば、国民不服従運動を訴えもする。今の与党が野党だったころも、同じように当時の左派政権・与党の足を引っ張っていた。

 今年はずっと渇水が尋常ではなかった。遅い秋雨で目前の問題は片付いたが、渇水が完全に解消されたわけではなく、さらなる渇水がやって来ることもあり得る。韓国は水不足国家に分類されており、政府は水不足の事態を予想して対策を講じようとしている。しかし左派や環境論者は、地形や気候条件のおかげで水量は豊富であって、人工のダムを作って水を確保するというのは正気の沙汰ではない、と反対している。金大中(キム・デジュン)政権時代に水資源ダム建設計画を全面的に取り消したことで水不足が起きたのなら、水を節約すればよい、と主張した。

 李明博(イ・ミョンバク)政権が4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)工事を行ったとき、野党は教育と福祉に使うべき予算の乱用だと反対した。安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が「李明博大統領の4大河川事業には多くの人が怒っている」と言ったのは、わずか2年前のことだ。しかし、いざ深刻な渇水に直面すると、忠清南道を手始めに4大河川のせきにためられた水を持ってくるための水路工事を開始した。

 かつて朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が京釜高速道路を建設したとき、自家用車を持つ富裕層のよそ行き用高速道路だとして、野党の指導者が建設現場に横たわって反対した-というエピソードはよく知られている。朴正煕大統領が推進した浦項製鉄(現在のポスコ)も、在野の人物や野党側は「鉄鋼は日本から輸入すればいい」として、国際社会と付和雷同して反対した。

李英作(イ・ヨンジャク)元漢陽大学碩座(せきざ)教授
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