「私、男ウケがいいからよく女から嫉妬されるんだよね」
「男と一緒の方が楽で、同性の友達が少ないんだよね~」
「自分のことが一番じゃない人間なんているの?」
が口癖の、自己愛・承認欲求の鬼である(自称)モテ女子たちが立て続けにハイスペモラハラ男子と結婚しました。
おめでとうございます。彼女たちの結婚を心から祝福します。
ブライダルのプロとして働く友人が「あそこは3年以内に女子が不倫に走るか、モラハラが加速して女子がメンヘラ爆発すると思う」と見立てていて私もまったく同感すぎます。でも私たちは何も言わない。ただ祝福だけする。
家族にウルトラハイスペのモラハラ男がいたせいで、どんなに「優秀で素敵な彼ぴっぴなの〜」と事前情報インプットされても、会った瞬間「父さん!妖気が!モラハラです!」と体がビクンビクン反応してしまう私としては、大事な友達だったら「もっといい人がいる」と言うようにしてますが、自己愛モテ女子に関してだけは「そうなんだ〜すごいお似合いだね〜☆」と白痴モードで自動応答。
理由は4つあります。
- ハイスペモラハラ男子と自己愛モテ女子は本当にお似合いだから
- 自己愛モテ女子に事実を言うと、うんこを投げつけられるから
- 自己愛モテ女子は友達ではないから
- 他者を搾取する者どうしがくっつくと、恋愛市場が平和になるから
今回は、女子たちが知っていても口にしない暗黙の掟、「不幸が見えている結婚を見送る」怖い話をお送りします。
ハイスペモラハラ男子×自己愛モテ女子の相性は最高
そもそも、ハイスペモラハラ男と自己愛モテ女子はとても相性がいいです。お互いのニーズがマッチする。お互いの結婚相手ニーズはだいたいこんな感じ。
- ハイスペモラハラ男:外に出しても恥ずかしくない程度の容姿と頭が必要。顔はよければよいほど華として連れ出し甲斐があるのでいい。ただし、自分に反論したり意見をいうのはもってのほかなので、従順であり、論理攻撃をしたら反論しないことが必須要件。
- 自己愛モテ女子:とにかく生活に直結するスペック重視。会社・ポジション・年収が平均値よりも高いことがマスト。周りから羨ましがられる結婚生活をすることが命題。「愛される」自分が最も価値が高いため、男から愛されるためなら自己チューニングを怠らない。
見てください、この需要と供給のバランス!マーシャル恋愛曲線もびっくり!
見た目(男子のハイスペックとモテ女子の外見)も、内面(従順さを望む男のニーズと男に愛されるために自己改変を怠らない女子のニーズ)も驚くほどマッチ!
ちなみに周りのカポーはこんな感じ。
1.幹部候補の戦略コンサル男×彼氏が過去20人を超えるモテ女子
「私と付き合う男みんな、私と別れると病むんだよね〜www」という衝撃的な自慢話とともに私の目の前に現れたモテ女子、背後には20人を超える元彼の屍がルイルイ。
「自分から好きになったことない。いつも告白されるからしょーがなく」「男から頭よすぎって崇拝されるからさ私w」と言っていましたが、合コンで出会った戦略コンサル男に一般教養のなさと論理回路の甘さを指摘される&「でも君は頭がいいよ」の恒例・飴鞭コンボをかまされて陥落。
何度彼氏の思考トレースをさせられ、取扱い説明書を作らされたことか…。
「私が本当にすごいって思えるのはあの人だけ」といってセックスできるママとなりました。彼に見捨てられないために、夜中の3時に呼び出されてもタクシーで向かってうどんを手打ちする謎の滅私奉公ぶりに私を含め周囲ドン引き。
セックスできるママを徹底&自分もセフレ数人をローテして「私ってすごいよね!?」「でもこの人しかいない!」のシーソーゲームをしていたら、直前でメンヘラ爆発して婚約解消。あと3か月もてばゴールインしていたでしょう。
2.ITコンサル男×天上天下唯我独尊モテ女子
大学のミスコンに立候補したりバンドのボーカルと努めたり、自分に注目が集めることが生きがいの唯我独尊タイプのモテ女子。5年同棲する彼氏とはセックスレス、その間にセフレ5人をキープして性欲解消しながら「彼は役員候補だから結婚するの♡」といってはばかりませんでしたが、その後に彼氏から振られて(まったく予想外だったらしい)、現在の夫と知り合い女子がベタ惚れでおつきあい開始。
彼女のあまりのわがままぶりにコンサル男がブチ切れ、「おしおき教育」という名のもとに「彼女が一番楽しみにしていたおうちクリスマスディナー(彼女が全部料理を作っていた)を当日にブッチして、『言うことをきかないからだよ』というメッセージをプレゼントボックスに残して彼女の家にあった荷物を全部引き上げる」という地獄のメリークリスマスをやってのけました。
ぶちのめされた自己愛女子、それからは彼氏の顔色を常にうかがうようになり、「教育されてるの♡」という名のもとに精神奴隷と化し、その従順ぶりにモラハラ彼も満足して精神ファブリーズしながらゴールイン。
なにこの暗黒武術会。
というぐらいの殺伐ぶりですが、モテ女子たちは「他人の搾取がデフォ」なのでいたって普通に実況してくるのが恐ろしいところ。見てのとおり、お互いが相手の痛みにまったく思いを馳せないので容赦ないデスロードと化すのですが、だいたいはモテ女子が「とにかく結婚したい」という思いに負けて奴隷宣言するようです。
自己愛モテ女子に事実を述べるとウンコを投げつけられる
さて、上記のように端から見ているとドン引きする案件でも、彼女たちにとっては「初めての本気の恋」。
「彼氏の人格やばくない?」「モラハラなんじゃない?」と、一般人相手の答えを言おうものなら、想像もしていなかった壮絶なクソリプを投げつけられます。
「ぱぷりこは私に嫉妬してるからわざとダメにしようとしてる」
「あの子は、高次元の人に相手にされたことないから分からないだけ」
「コンサルとかできる人と付き合うって話、聞いたことないし」
だから、身内にいるから嫌なんだってば。
父・兄のおかげでこの無駄な分析癖とコンサル男のトレースマインドが生まれ、だから絶対にハイスペコンサルを選ばないと決めているにもかかわらず(そのことも伝えている)、その前提を全て放り投げて「嫉妬される」というマジックワードに集約。
彼女たちからすれば「自分の幸せをダメにしようとする嫉妬深い不幸な女」らしい。しかもこういう悪評を知り合いにぶちまけるぶちまける。
そりゃあ、うなずきbotにもなるよね。
「そうなんだ〜年収すごい〜結婚したら世帯年収やばいんじゃない〜?」
「いいな〜いつもそんないいワイン飲めて〜」
「忙しい彼をちゃんと支えてあげてすごいね〜私は真似できないな〜良妻賢母になりそう〜」
「厳しいこと言うのって愛があるからじゃない〜?どうでもいい人だったらそんな真剣にお仕置きなんてしないよ〜愛されてるんだよ〜だからそんなに落ち込まないで?」
生き延びるためには、こう対応するのが正解です。
今のように妖怪の参与観察を心得ていなかった時代、「人類は話せばわかる」「自分のわかる範囲で意見を述べよう」という「ママのおっぱいでも飲んで寝てなチェリー!」みたいなピュアピュア精神を、完膚なきまでにデストロイしてくれたのが彼女たちだったので、その点では感謝している。
自己愛モテ女子は友達ではない
予想がつくリスクに対して何もアラートを出さずに見送る相手は、当然のことながら友人とは呼べません。だって、本当のことを言ったらウンコ投げつけられるし。風評被害がやばすぎるし、無理無理。
当然、私以外の女友達もすさまじい勢いで離れていくので、披露宴には呼べる女友達の深刻な人手不足、という悲劇が起きるのがこのカップルの特徴。
ハイスペ側が無駄にすごい上司陣を呼んでくるので、新婦側も焦って役員クラスをどうにか引っ張ってきて、空いている友人席を埋めようとする。で、いつもの「私、モテるから女友達が少なくって〜☆」が炸裂。
「都合のいいことしか言わない取り巻きばかりを集める」のって、耄碌して権力に固執した幹部おじさんの十八番かと思っていましたが、むしろ自己愛女子こそが全力で霊圧を駆使して自己愛亜空間を作るようです。
自己愛女とモラハラ男が結婚して訪れる、つかの間の平和
結局のところ、あれだけ自我と搾取の殴り合いをしていても「恋愛」と思い込める、お互いのニーズがマッチしている、二人の自己中レベルが似ている、ということを踏まえると、彼らが惹かれ合うのは当たり前。皮肉でもなんでもなくお似合いなのだと思うし、結婚すべき。そこが結婚すれば恋愛市場はつかの間、平和になります。
どちらかの相手が「搾取がデフォルト設定」じゃない一般人の場合、間違いなく飲み込まれて搾取されてメンタル壊されるからね。あの強靭な認知と時空の歪みに一般人を巻き込むよりは、妖怪どうしがラブラブ殴り合っていた方がパワーバランスが取れている。というわけで私は結婚を祝福するわけです。
が。
恋愛市場は平和になるが、家庭は地獄と化す
同時に心の底から絶望もする。彼らが子供を持った時、子供は何もしていないのに、モラハラと自己愛にさらされ続けて育つことになるからです。
モラハラファザーってマジで鬼畜で、人間の感情の機微や弱さを一切認めずに「甘え」「自己責任」「できないのは怠け」の一言で済ませるし、子供を認めない。子供は親に認められたくて必死になるけれど、結果を出して初めて認められる癖がつくので「ギブ&テイク癖」が付く。息を吸うだけで歪む空間。
自己愛マザーにとって子供は「皆に羨ましがられる家族」を作るツールの一つなので、高確率で「教育ママ」化します。自分はそれほど学歴が高くないから、父親と同じようなレベルに合わせようとする。もしも子供が優秀ではない場合、「君(の遺伝子)が悪い」と旦那および旦那家族にフルボッコされるので、「教育」に走るのは自然の摂理です。
子供の未来を考えるだけで、暗澹とした気持ちになる。
子供はどんな非道な親だろうと、愛されたい、認められたいと渇望し、必死に頑張ろうとするものなので、ただつらい。逃げるにも、経済状況と教育環境を考えると高校生以降じゃないと逃げられないし。
モラハラに耐えかねて離婚するか、メンタルを壊して離婚するか、どちらかの不倫により離婚するか(高確率で女側です)、だいたいこのパターンのカップルのいく先はこの3つです。どのパターンにいっても、子供に深刻なダメージを当たるのできつい。
結論:スペック婚のいきつくところは搾取地獄である
ハイスペモラハラ男子は「社会的に必要な人当たりの良さ」をきちんと心得ているので、対外的には「イケダン」です。経済的基盤もしっかり。そしてそのイケダンに選ばれた私という超ウルトラスーパー承認欲求を満たしてくれるポジションだけで「幸せ」を感じていられるのはせいぜい2~3年。「幸せ」というのは泡のような瞬間的な高揚感であり、持続可能なものではありません。
モテ女子は加齢とともに、モラハラ男から見た「価値」が激減しますからね。だってスペック=顏だったんだもん。で、女子はスペックを失い、「愛されてる」という実感がなくなって発狂する。
「前より愛されてると感じなくなった」「子供が思うようにキラキラしてくれない」「私の存在意義ってなんなんだろう」という理由で、元モテ妻は自己愛を満たせなくなって、バカ高いエイジングケア・教育・不倫・メンヘラ・スピリチュアルのいずれか(複数可能)にハマり、家族破綻するのが王道パティーン。
キラキラ女子アカウントがだいたい結婚すると音沙汰がなくなるのは、だいたい後ろがこうした地獄になるからです。
スペックどうしで結婚していきつく先は搾取地獄。幸せは数年しか続かない。親は好きになぐり合っていればいいけれど、いちばんの被害は子供なので、10年後を思うと心から絶望もする。
キラキラ婚活女子アカウントが目指すハイスペ男子♡との結婚は、高確率でこの地獄行きの片道切符ですが、本当にそれでいいの?
記号を求める者は記号として消費される。
搾取する者は搾取される。
スペック婚の絶頂は3年まで。
10年後を思え。最たる被害者である子供を思え。
現場から言いたいことは以上です。
結局のところキラキラ女子がハイスペ男性にトロフィーワイフ的な扱いを受けることを受け入れる(疑問を持たない)のって、自分も記号的に「ハイスペ男性」を見ているから。自分が記号を求めているから、記号として扱われることへの抵抗がない。それよりも「キラキラしている私」でいることが重要。
— ぱぷりこ (@papupapuriko) 2015, 11月 26
でもその「キラキラ戦略」は、「結婚(というより結婚式)」、よくて「第一子出産」くらいまでの非常に短い間の「幸せ感」を操縦するための戦略で、「結婚生活」を通した「幸せ」を体現するためのものではないんだよね。でも彼女たちは「いい相手と結婚すれば結婚生活は幸せ」と考えているように見える
— ぱぷりこ (@papupapuriko) 2015, 11月 26
ハイスペと結婚すれば自動的に「VERY」的な幸せ結婚生活もセットだと信じられるのは幸せだけども、周りからどんなに「幸せそうな家」に見えたって中に入れば魔窟なんて例は腐るほどある。「記号婚」はそのリスクを高めるだけ。
https://t.co/Q2IRUspmvO
— ぱぷりこ (@papupapuriko) 2015, 11月 26
だいたい男の方が早く死ぬので、老後は女子会リユニオンしているのを非常によく見る。女友達は大事にした方がいいよ!https://t.co/OyyqDUOEnW
— ぱぷりこ (@papupapuriko) 2015, 11月 26
搾取する人たちを理解する本
パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか (PHP新書)
- 作者: 岡田尊司
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2004/06
- メディア: 新書
- 購入: 58人 クリック: 1,188回
- この商品を含むブログ (71件) を見る
ひさしぶりに自己愛モテ女子のことを思い出していたら、この本にある「自己愛性パーソナリティ障害」に該当しすぎてすぎてびっくりした。下記9つのうち5個以上があてはまったらそうらしいですが、ほとんど当てはまるじゃないかいい加減にしろ。
- 自分が重要であるという誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)
- 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
- 自分が “特別” であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達(または団体)だけが理解しうる、または関係があるべきだ、と信じている。
- 過剰な賛美を求める。
- 特権意識(つまり、特別有利な取り計らい、または自分が期待すれば相手が自動的に従うことを理由もなく期待する)
- 対人関係で相手を不当に利用する(すなわち、自分自身の目的を達成するために他人を利用する)。
- 共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
- しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
- 尊大で傲慢な行動、または態度
- 作者: マーサスタウト,Martha Staut,木村博江
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2012/10/04
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
ハイスペモラハラ男の精神構造を書いた良書。ハイスペ狙いの婚活女子は必読。「25人にひとりは共感能力が欠如し、他人を搾取することに罪悪感を感じないサイコパス」なので、けっこう皆ふつうに会ってると思うよ。
- 作者: マリー=フランスイルゴイエンヌ,Marie‐France Hirigoyen,高野優
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1999/12
- メディア: 単行本
- 購入: 22人 クリック: 332回
- この商品を含むブログ (44件) を見る
すでにモラハラにあい、精神が擦り切れている人はこちらを参考にしましょう。ベテランの精神科医が書いた良書。