【寄稿】ジェネシスに続け! 韓国企業はブランド市場に参入せよ

 それでもジェネシスの試みは、今後韓国企業が消費財分野で指向する方向性を示したという点で高く評価できる。ハーバード・ビジネス・スクール(経営大学院)のクレイトン・クリステンセン教授は、既存製品の性能を徐々に改良する存続性革新は、価格破壊を武器にした破壊的革新者たちにより淘汰(とうた)されると主張している。すでに日本と韓国の多くの企業が、中国などの発展途上国の企業の低賃金を背景にした攻勢により、踏んだ前轍(ぜんてつ)だ。

 韓国企業も今や消費財分野で積極的に高級品市場に参入しなければならない時期だ。少なくとも消費財分野における韓国企業レベルは製品開発・デザイン・品質上の問題で足を引っ張られるような状態ではない。韓国の国家イメージが高級品市場への参入で障害となる時代は終わった。世界ブランド市場の報告書を毎年発表しているコンサルティング会社「ベイン・アンド・カンパニー」は、韓国が世界ブランド市場でトレンドセッター役をしていると評価する。必要条件は満たしている。韓国企業が考えなければならないのは、高級品市場に進出できるかどうかではなく、進出するかどうかの問題だ。ライセンスや直輸入で外国の高級ブランドを持ち込み、安易に高収益を上げようという利用者あるいは見物人の立場を捨て、競争の場に立つことを宣言した現代自動車の決意が、ほかの消費財分野でも起爆剤になることに期待する。

崔容熏(チェ・ヨンフン)同志社大学商学部教授
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