1990年に韓国で起きた殺人事件の主犯であるキム・ジョンマン容疑者(55)が3日午後、日本から韓国に送還された。
キム容疑者は90年5月、ソウル近郊・京畿道利川市の土手道でAさん(当時22)の頭部に空気銃6発を撃ち込み、野球バットで頭を殴って殺害した疑いが持たれている。犯行直後に日本へ逃走し、身元を偽って暮らしていたが、事件発生から25年後の今年6月、不法滞在で警察により拘置された。
韓国法務部(省に相当)は日本側にキム容疑者の身柄確保を要請し、拘置期限直前の8月初めに韓日犯罪人引渡し条約の緊急引渡拘束制度に基づき現地で逮捕した。2002年に韓日が犯罪人引渡し条約を締結して以来、同制度が使われたのは初めてとなる。
法務部は9月、法務省に正式な犯罪人引渡を請求し、日本の裁判所の許可を得て韓国に連れ戻した。犯行当時の殺人罪の公訴時効は15年だが、海外逃亡により時効が停止されたため処罰が可能だ。
法務部の関係者は「海外司法当局との緊密な協力により、25年前の未解決事件を解決できることになった」と話している。