今年8月に韓国を訪問し、西大門刑務所跡地でひざまずいて日本の植民地支配を謝罪した鳩山由紀夫元首相が、それから2カ月後、東京都心で右翼団体の車に包囲される事件があった。読売新聞など日本メディアが3日、一斉に報じた。
日本メディアによると、鳩山元首相は今年10月4日午後5時ごろ、運転手が運転する車に乗り、東京都心の千代田区内を移動していたところ、右翼団体「草莽崛起(そうもうくっき)の会」の街宣車12台に取り囲まれ、約10分間にわたって立ち往生したという。鳩山元首相は当時、東京都内の明治大学で行われた日中関係のシンポジウムで講演し、帰宅する途中だった。右翼団体のメンバーらは、シンポジウムの内容に抗議し、鳩山元首相を脅したことが分かった。
日本の警察は、鳩山元首相を包囲し脅迫した容疑で、「草莽崛起の会」の街宣車を差し押さえ、関係者の自宅などに対する捜索も行った。警察は事件当時、同団体のメンバーのうち誰が車を運転していたのか特定するため、捜査を行っている。「草莽崛起」とは元々、江戸時代末期の思想家・吉田松陰が唱えた言葉で、「在野の人々が立ち上がり、体制を変革する」という意味だ。吉田松陰は明治維新を目前とした混乱期に、江戸幕府の打倒と「征韓論」を唱えた。「草莽崛起の会」はこのような思想を受け継ぐという趣旨で、日章旗を掲げた黒い街宣車を走らせ、東京都心でヘイトスピーチ(憎悪表現)や極右の主張を繰り返し流してきた。