どうも、僕です。
昨日から始めました、3年越しの一人旅の振り返り。
出発の日。
確か前日深夜まで居酒屋のバイトをしていたため、起きたのはお昼前。
写真のデータを見ると11:30頃になっている。朝早く出発をして、なるべく距離を稼ぐ予定だったと記憶しているのだけど、ベッドの誘惑には勝てなかったらしい。
3年前のことなのに、この時のことははっきり覚えている。いざ、出発をするとなった時、実は全く気が乗らなかったのだ。
バイトのおかげで貯金はある。時間もあるので、好きなことができる。わざわざ面倒で不便な旅なんぞに出なくても大学卒業までゆるりとやっていける。その思いが、僕の出発を遅らせた。
そんなモヤモヤを適当にごまかしながら、直前まで「まぁなんとかなるだろう」と手をつけていなかった荷造りの残りを適当に済ませ、原付に詰め込んだ。
一度、家を離れてしまえばいいのだ。そこから先は、多分なるようになる。
なお、この旅の全編にわたって、僕の頭の中は「まぁなんとかなるだろう」の考え方で動いている。
原付のシート下のメットインにはテントと銀マット。
増設したキャリアには着替え数着と、家にあったカロリーメイトなんかを適当に詰め込んだプラスチックのボックスを据え付ける。
出発前に記念撮影をしておいたが、正直言って気持ちが盛り上がらない。
自分一人で記念写真を撮るという行為が全くしっくりこない。
しかしこのまま家の周りでダラダラしていると、いつものように何もなく日が暮れてしまう。
重い腰を上げ、近所から離れることにした。
まずは、茨城を目指すことは決めていた。
大洗から出るフェリーに乗って北海道へ上陸するためだ。他の手段を探したけど、手っ取り早く、他のライダーにも支持されていた手段がそれだったのが大きい。
1日に何km走れるかわからないが、初日で茨城入りはしておきたいとは思っていた。
神奈川を超えたあたりで気づいたが、出発1週間前に納車されたこの原付で神奈川県から離れたことがなかった。うん、東京って走りづらい。
免許取立て、原付乗りたての完全な初心者だった僕には、何もかもがしっくりこない。
特に都心は怖くて仕方ない。
走っていい道なのに、原付に居場所はなく、後ろから遠慮なしに飛ばす乗用車の姿に怯え、煽られる。とにかく逃げるように、遠くへ行きたい、そういう気持ちだった。
ストレスをためつつ、無理をしつつ、走り続ける。都会から逃げ続ける。
今思えば当然なんだ。1時間以上原付に乗ってみたのなんてこれが人生で初めてなのだから。
多少旅にこなれてきた頃ならまだしも、初日に旅らしさを求めるのは流石に苦なのだけど。
※道程 gifにしてみました。(ループです)
そして、無理はすぐ姿を表す。
おまわりさん「はいはい、お兄さんちょっと止まってw」
「(後ろの「日本縦断中」を見て)あ、お兄さん旅してるの?笑」
「え、今日からなんだ?へぇ〜笑」
「いいねぇ、おじさんそういうの好きだよ笑」
「あ、速度違反なんだけどねwww」
もう、車に煽られるのが怖くて、とにかく静かなところに行こうと思っていたらこれ。
初日に罰金。
もうこのあとはテンションだだ下がりだった。。。淡々と時速25kmで走り、茨城を目指す。本当に帰りたかった。
東京を越え、千葉県の松戸を経由して茨城に入ったけど、今思い出しても写真にピンとこないということは、道沿いに大した風景もなかったのかもしれない。
真夏の日差しに体力も削られ、精神的にも暗くなったあたりで、だんだんと陽が落ちてきた。
そんなコンディションなのに、何がそうさせたのか、「そうだ、観光をしよう」と思うに至っていた。きっと、走るだけの1日にしてしまうのが嫌だったんだろう。
しかしここは茨城。魅力度最下位の県。
正直フェリーに乗るまでの道程について下調べを全くしていなかった僕には、夜が訪れるまでに茨城でどんな観光ができるのかほとんどわからなかった。
その時、一つだけ浮かんだ観光スポットがあった。
日々のオタク活動の成果。声優ラジオ「DGS」の神谷浩史誕生祭の舞台。
「シャトー・カミヤ」だ。
※正直ポカンな方多いかと思いますが。
ワイナリーとレストラン、あと素敵な雰囲気のお庭のスポット。ここでかの有名声優が阿呆みたいなバラエティ番組をやっていたんだ。(小野Dは滑り散らしてましたが)
そこを一人の旅人未満が訪れたんだけど、観光の仕方がわからない。
素敵なスポットだったのだけど、何をしていいかわからずとりあえず写真を撮っておいた。3年後この自撮り写真を見て、自分が切ない気持ちになるなんてきっと想像ついてなかったんだろう。
そうこうやっているうちに夜になってしまった。
夕飯は何も考えていないし、思えば昼食もまともな物を取っていない。
適当にスーパーで食料を仕入れて、夜の茨城をふらつく。
そう、旅に出て一番の課題、「野宿」だ。
旅の後半になると本当にどこでも寝られるようになるのだけど、初日は流石にそうはいかない。第一、ここは町の真ん中。公園で寝ようものなら職務質問されてしまう。
昼間にあまりいいこともなかったので、この日はゆっくりしたかった。
バイクでぐるぐると具合の良さそうな場所を探すが、どこにも見つからない。せめて、テントを張る場所だけでもあれば。。。
もう、半分あきらめて今度見つけた何かのお店で駐車場を貸してもらえないか交渉してみよう。。。
あ、ちょうどお店の方々が戸締りをして出てきた。。。
「すみません、、、ちょっと駐車場で野宿させていただけませんか...?」
「...?」「ちょっと、かくかくしかじか旅をしてまして。。。」「おおなにそれ、面白いね、いいよ!」
「え、本当ですか!?ありがとうございます!」
なんかその日初めて救われた気がしまして。いろいろ話もして、それなら電源も使わせてくれるとのこと。もうずっと緊張していた全身が弛緩するのを感じた。
ぜひ、とボックスにコメントを書いていただいて。
せっかくなんで記念写真撮ろうよ!と。
初日から、なんとかいい場所を確保させてもらえたのは本当にありがたかった。
これで弾みがついたのか、積極的に野宿ができるようになっていく。
などと、完全に気が緩んで注意不足になっていたら、今度は原付の鍵をメットインの中に入れたまま閉めてしまい、鍵が取り出せなくなってしまうハプニング。
結局業者さんを夜に呼び、合鍵を作ってもらって鍵を救出。。。出張費ということで2万円ほど想定外の出費をカウントすることになってしまう。なかなか万事上手くはいかない。
初日は 神奈川 - 東京 - 千葉 - 茨城と人生初めての長距離移動だった。
精神的な振れも大きく、なかなか初日から上手くはいかなかったものの、「なんとかなる」が実際になったという意味では大きな1日だったのだと思う。
これを書きながら、ヘッタクソな旅をしているなぁと感じたものの、この先々までその痕跡が見て取れるような「僕の旅のフォーマット」にきちんとなっている。
僕の旅のスタイルはきっとこの日の「なんとかなるさ」が形作ったんだ。
[以下、テンプレ]--------------------------------------------------
「flickr」始めました。(ちゃんと弄り始めました)
たまに更新します。ブログに載せる以外の写真がたまに載っております。
ぬーんと眺めてやってください。