野球:韓国球界に巨額FA時代到来、「もらい過ぎ」との批判も

 これは異常事態なのだろうか、それともバブルなのだろうか。

 近年、韓国プロ野球でフリーエージェント(FA)宣言後に契約した選手の年俸がうなぎ上りとなっており、これをめぐって議論が巻き起こっている。 FA選手がその年俸に見合うだけの活躍をしているかどうかは疑問で、球団は長期的発展や観客サービスに投資すべき財源をFA選手獲得のためだけに注ぎ込んでいるのではないかという批判だ。「球団が財政的に自立していない韓国プロ野球の現実を見ると、こうした大金が飛び交うFA制度がいつまでもつというのか」との指摘もある。

■FA選手100億ウォン時代の幕開けか

 今回FA宣言した18選手が717億2000万ウォン(約76億1900万円)の契約に成功した。だが、斗山ベアーズからFA宣言した金賢洙(キム・ヒョンス)、呉載元(オ・ジェウォン)、高永民(コ・ヨンミン)と、SKワイバーンズからFA宣言した朴栽相(パク・チェサン)の契約が残っており、過去最大の「FA選手契約祭り」となるのは時間の問題だ。昨シーズンのFA宣言選手 20人の契約総額は720億6000万ウォン(約76億5500万円)だった。

 米大リーグ進出を狙う金賢洙が韓国リーグに残留すれば、史上初の100億ウォン(約10億6200万円)以上の超大型契約になるとの見通しもある。

 毎年のように大物クラスのFA選手の年俸が高騰する理由は簡単だ。10球団体制になり、優秀な選手を確保するための競争が激しくなったからだ。特に優勝に飢えている球団であるほど即戦力になる選手の獲得が切実だ。韓国の球団は広告などの方法で親会社から数百億ウォン(100億ウォン=10億円)の支援を受けながらも、毎年赤字経営となっている。こうした状況で大物FA選手を1人獲得するだけでも年間15億-20億ウォン(約1億6000万-2億1300万円)のコストをさらに抱え込むことになる。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者
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