それでも球団がFA選手獲得に金銭を湯水のごとく使うのは、球団が考える評価の尺度が違うからだ。スポーツ経済研究所のチョン・ヒユン所長は「大リーグは選手1人当たりの観客動員力などのマーケティング指数がその選手の評価の尺度となるが、韓国の球団はチームの成績にどれだけ貢献できたかを最大の尺度と考えるため、大金を惜しみなくつぎ込む」と語った。親会社の支援に依存している韓国野球の産業構造でなければ説明できない。親会社が社を挙げて優勝を目標に掲げたハンファは、この3年間にFA市場で450億ウォン(約47億6500万円)を上回る資金を使った。親会社が戦力強化を強調しているロッテも、今回のFA市場で140億ウォン(約14億8200万円)近い大金を投じた。
このように自活力もない状態でFA獲得に大金を使えば、総体的にマーケティングや若手育成に金をかけなくなるのでは、と指摘する声もある。ある球団関係者は「財政的に余裕がない球団がFAで大金を使えば、他分野に投資しにくくなるのは当たり前ではないか」と言った。
また、別の球団関係者は「現在のFA市場は明らかに『バブル』だ。2軍選手や1軍の年俸が低い選手のはく奪感や劣悪な環境などを改善し、ユースや若手支援でもKBOと各球団が長期的な計画の下に対策を講じなければ、危機を未然に防げないだろう」と警告した。