野球:FA宣言の朴錫ミンと大リーグ入り朴炳鎬、受取額に大差なし

 4年連続で韓国プロ野球リーグ本塁打王に輝いた朴炳鎬(パク・ピョンホ)がミネソタ・ツインズと5年契約をすれば、受取額は1800万ドル(約22億1700万円)だ。1年当たりの受取額は360万ドル(約4億4000万円)となる。ここから連邦税・ミネソタ州税・エージェント手数料などを引くと、朴炳鎬が実際に手にする金額は1年当たり20億ウォン(約2億1200万円)前後だ。

 これを昨年に続き今年も大金が飛び交っている韓国のFA宣言選手たちの契約条件と比べると大差ない。NCダイノスと4年・合計96億ウォン(約10億1700万円)で契約した朴錫ミン(パク・ソクミン)が税金等を差し引いて受け取る額は1年当たり16億ウォン(約1億7000万円)前後と推算される。大きな違いはないと言っていいだろう。

 だが、韓国の球団と大リーグ球団の規模は雲泥の差だ。米経済専門誌フォーブスが評価したツインズの資産価値は8億8500万ドル(約1090億円)。2014年の総売上高が2億2300万ドル(約274億8300万円)で、ツインズが所属選手に今季支払った年俸総額は1億826万2000ドル(約133億4200万円)だった。一方、韓国の球団は年間売上高が300億-500億ウォン(約31億7700万-52億9400万円)程度。大リーグで中位くらいというツインズの12-25%に過ぎない。それにもかかわらず、朴炳鎬と韓国のFA選手の年俸は大差ないのだから、韓国のFA選手の契約金・年俸が高騰しているということだ。

 観客数で見ても、大リーグは30球団の1試合平均観客数が3万353人なのに対し、韓国リーグはやっと1万人といったところだ。

 大リーグはどの球団も独立企業の形態になっており、独自の事業によって自立基盤を整えている。ツインズは昨年の入場収入だけで7000万ドル(約86億2800万円)を超えた。一方、韓国首都圏の人気球団における昨年の入場収入は約90億ウォン(約9億5300万円)に過ぎなかった。中継料も天と地ほど差がある。大リーグで最高の人気を誇る球団の一つ、ロサンゼルス・ドジャースは14年にタイムワーナー・ケーブル放送と年間3億2000万ドル(約394億4000万円)、25年で合計約8兆7000億ウォン(約9213億円)の契約を結んだ。ドジャースは、今季の選手年俸総額2億3000万ドル(約283億4800万円)を中継権料だけで賄って余りある。一方、韓国野球委員会(KBO)が放送局と契約を結び、収入を10球団に均等に分ける韓国は1球団当たり年間20億ウォン(約2億1000万円)前後がせいぜいだ。中継権料を受け取っても、高額FA選手1人に年俸を支払えば手元にほとんど残らない計算になる。

姜鎬哲(カン・ホチョル)記者
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