クルーグマン氏の真意は「日銀緩和失敗」なのか 財政政策は27兆円の埋蔵金で (1/2ページ)

2015.12.08


ポール・クルーグマン教授(AP)【拡大】

 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授が、アベノミクスの異次元金融緩和が失敗だったと指摘した−と一部で言われている。しかし、実際に彼のブログを読むとまったく逆で、財政政策も金融政策ももっと積極的にやれと主張している。異次元金融政策の失敗というより、消費増税で緊縮財政にしたのがまずかったというわけだ。こうしたことは、本コラムでも何度も指摘してきた。

 政府は財政政策の一環として、低所得の年金受給者らを対象に給付金を検討している。「1億総活躍社会」に向けた緊急対策で、賃金引き上げの恩恵が及びにくい低年金受給者を支援するため、約4000万人の公的年金受給者のうち住民税非課税世帯の約1000万人を対象に1人あたり3万円程度の給付金を配る方向で、予算金額は3000億円となるという。

 障害基礎年金や遺族基礎年金の受給者を含め約1250万人を対象とし、予算額が3900億円にのぼるとの報道もある。3兆円規模とされる補正予算に盛り込まれるようだ。

 民主党の岡田克也代表は「選挙目当てのバラマキであることは明らかだ」とし、「若い人でも困っている人はたくさんいる。なぜ、高齢者にだけ払うのか」と批判した。

 現在、給付金には臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金の2種類がある。前者は2014年4月の消費増税による影響を緩和するため、低所得者向けのものだ。住民税が課税されない人を対象に1人6000円である。後者は消費増税による影響を踏まえ、子育て世帯に実施するものだ。児童手当を受給する人を対象として、児童1人当たり3000円である。

 

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