今回紹介するのは俳優の松崎悠希さん。10代で海外に飛び出し、ニューヨークでのホームレス生活も経験した松崎さんは、いまやトム・クルーズやジョニー・デップとの共演も果たしたハリウッド俳優だ。その“成り上がり”の背景とは……。
ハリウッドで億万長者を夢見た少年
ロサンゼルス在住の松崎悠希さんは、『ラストサムライ』や『硫黄島からの手紙』など、超大作映画への出演歴もあるハリウッド俳優だ。アメリカ生まれの日本人というわけでも、日本で名をなして海外に進出したわけでもない。10代のとき、若さに任せて、1人扉の向こうに飛び出した。
役者に目覚めたのは、英語の児童劇を母と見に行った7歳のとき。“超”のつく目立ちたがり屋だった松崎さんは、その劇団がオーディションを行うと知って、1週間で劇中の全セリフを暗記。見事主役の座を射止め、役者人生をスタートさせた。
当時は海外のことは考えておらず、児童劇団で経験を積みながら、高校卒業後は日本映画学校に進学。ところが入学して進路が変わった。
「自分が11年間やってきた児童劇は、演者も積極的に発言し、自分たちで作りあげていくというものでした。でも日本の映画界では、それは異質だったんです。講師に『おまえのスタイルで行くならアメリカのほうがいい』と言われ、渡米を決めました」