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堀込泰三堀込泰三  - ,,,,,,,  09:00 AM

最高のインスピレーションは波乗りから:直感を大切にするデザイナー、ダン・ペティの仕事哲学

最高のインスピレーションは波乗りから:直感を大切にするデザイナー、ダン・ペティの仕事哲学

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Crew Blog:ほかのクリエイターの成功にならって、彼らの働き方をマネしてみようと思うことがあります。同じ時間に起きて、同じツールを使って、同じブランドのコーヒーを飲んで。でも、それでは似たような作品しかできません。

生き方と働き方は別物だと考えられがちですが、それらを分離することは、ゴムバンドで作ったボールをばらばらにするようなもの。両者は複雑に絡み合っているので、完全に分離することはできません。

熟練したクリエイターは、自分は自分で創るものだと知っています。
あなたの作品は、あなたの経験――感動した瞬間、惹かれる色、物事に対する感じ方――のキュレーションなのです。


ダン・ペティ氏は、このような全体論的なアプローチを作品に取り入れている数少ないデザイナーのひとり。彼は、「Medium」の最初のデザイナーに抜擢された華々しいフリーランス時代から、「ノンカンファレンス」と銘打った独自イベント「Epicurrence」を立ち上げるまでの間、一貫して人生のあらゆる側面を、作品に盛り込んできました。

そんなペティ氏に、刺激的な人生を生きること、クリエイティブになるための心と体の余裕を見つけること、「時間に縛られた働き方」がクリエイティブの勢いを殺してしまう理由などについて聞きました。


―― どのような働き方が好きですか?

ダン:コラボレーションの重要性が声高に叫ばれていますが、クリエイティブな工程における"ゆとり"にも同じぐらいフォーカスする必要があると思っています。ゆとりがなければ、考えることができません。考えることはとても重要なことだからこそ、時には、一時中断することも必要だと思うんです。

中断には、いいものとそうでないものがあります。いい中断とは、波の高い日や、粉雪が降った日です。悪い中断とは、多すぎる会議、騒がしいオフィス、9時~17時などの決められた労働時間を強制される環境です。

私には、インスピレーションを得るための方法があります。人によっては、ただの先延ばしだと思うかもしれません。たとえば、波に乗ることもその方法のひとつです。これで、1日の2時間がつぶれますが。

想像できますか? 誰もが忙しなく働く11時20分に、上司に「サーフィンに行ってきます」と言ったり、丸一日休んでタホ湖にスノーボードに行ったりすることを。

そういったチャンスを利用して自分にゆとりを与えることで、考え方が変わり、パフォーマンスが上がります。これは、人生を楽しんでいるという純粋な喜びから来るものです。その結果、よりよい最終結果が得られます。


―― インスピレーションを得るために行く場所は? イマジネーションや情熱をかき立てられる場所や活動はありますか?

ダン:私の場合、シンプルです。ただ外に行くこと。生きることこそ最高のインスピレーションであり、それは明るいスクリーンの前では起こりません。クリエイティブの工程から離れることは、終わりのないフィードをスクロールし続けることではありません。ベストな作品は、サーフィン、スノーボード、新しい場所での散歩、旅、家族と過ごす時間などに生まれます。

カンファレンス「Epicurrence」を立ち上げたのは、それが理由です。でれれば1週間仕事から離れて、リラックスして楽しんでみてください。外に出ることで、私と同じようなインスピレーションを感じてほしいですね。

カリフォルニア州パシフィカでのサーフィンも、私にとってとても大きなインスピレーションになっています。さまざまなレベルのサーファーがいて、初めてという人もいれば、セミプロみたいな人もいる。山に囲まれた太平洋の小さな入り江にそれだけ幅広い人たちが集まるというのは、特別なことです。

新人サーファーに教えることもあるのですが、私にとって、大好きなひとときになっています。その一方で、もっとうまいサーファーを見て学ぶこともできるんです。私に言わせれば、それは、誰もが教え、学んでいるデザインコミュニティと同じなんです。

パシフィカの波は、そんなによくありません。でも、そのおかげで忍耐や、シンプルな瞬間を楽しむことの意味を学べます。これも、クリエイティブの工程と似てるいるな、と、思うんです。クリエイティブの工程にも忍耐が必要ですし、休みのない8時間勤務で強制されるものではない。

私が好きな1日は、誰もいなくなった太平洋に浮かびながら、日が沈むのを見届けること。それこそ、最大のインスピレーションの瞬間です。ぜひ、皆さんにも体験し、感じてほしいですね。燃料補給が必要なときは、波の状態を問わず、いつでもそうすることにしています。

デザインと同じで、最高の波をとらえることだけがサーフィンではありません。それは、自分と海とのつながり。デザインで言えば、自分と作品とのつながりなのです。


―― "ゆとり"の時間を作りながらも、同時にたくさんのことをこなしていますよね。

ダン:私は、複数のプロジェクトを同時に進めているときの方が、最高の仕事ができます。基本的にひとつのプロジェクトだけを進めていることは、ほぼありません。これまで、学校から広告業界へとキャリアを進めるなかで、常に複数のことをこなさなければなりませんでした。でも、そんな時代があったおかげで、今ではそれが最強のスキルになりました。2、3個のプロジェクトを同時進行しているときが、一番落ち着きます。

異なるプロジェクトであっても、何かしらの形で関連し合っているものです。操作や難解なコンセプトの問題でも、複数のプロジェクトを進行していると、すべての問題に対して同時に対処できるのです。

ランディングページをどうデザインしようか考えていると、何百ものコンセプトが頭に浮かびます。その中には、素晴らしいコンセプトが少なくともいくつかはあるはずです。それならば、それらのアイデアを捨てずに、同時に進行している別のプロジェクトに使えばいいんです。そうすれば、同じサイクルを繰り返さなくて済みますから。そういう意味で、デザインは、デザインにインスピレーションを与えるのです。


―― 時間に縛られた働き方をしないとのことですが、その哲学についてもう少し詳しく教えてください。

ダン:まず、作業時間をカウントして報酬を請求することは、クリエイターにとってもっとも時代遅れな方法です。単なる時間のムダではなく、時間の半分を、自分自身またはクライアントに嘘をついていることになります。

多くのクリエイターは、インスピレーションを得るための散歩やランチやサーフィンの料金をクライアントに請求しません。でも、それはプロセスの一環なので、本当は請求するべきなのです。

私の哲学はシンプルです。請求は、前金かフラットな1週間単位の料金のいずれかに統一しています。追加料金は一切ありません。誰もが得られるものを正確に知った状態で、双方が交渉の座につきます。この哲学には未知なことが多すぎると言う人もいるでしょう。それは、プロジェクトマネジメントがうまく行っていないときです。

それから、すべてのプロジェクトが同じ料金ではないし、お金を必要としないものもあると考えています。多くのクリエイターが、料金設定におけるプライドのせいで仕事を逃しています。私の最高の作品や、実入りの多い作品への紹介は、無償のプロジェクトから来たものです。「Nixon.com」は無償でやりました。なぜなら、あの業界とブランドが好きだから。その見返りとして、無料の時計をいくつかもらい、たくさんのコネクションを紹介してもらいました。長期的な友情と関係が生まれたのは言うまでもありません。私にとって、それはプライスレスなのです。

「Epicurrence」も無料でやります。得たお金は、すべて参加者に戻します。なぜなら、関係や経験はプライスレスで、銀行口座の残高よりもずっと価値があるからです。今日の社会では、お金は忘れられがちで、物質的ですらありません。ですから、ほんの小さなお金と引き換えに、チャンス、経験、関係を失わないことが大切だと思うのです。


―― 最後に、新人や意欲のあるデザイナー、もしくはクリエイターに、ゆとりを見つけて独自のスタイルを創るためのアドバイスをお願いします。

ダン:何よりも大切なのが、楽しんだり、ワクワクしたりできる人生を送ることです。それから、クライアントへの請求方法は柔軟に。お金がすべてではありません。この不等式を覚えておくといいでしょう。 「関係」+「経験」>「お金」なのです。


Dann Petty on living an inspiring life and not punching the clock | Crew blog

Jory Mackay(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock

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