まるで“陰謀”? 出産を目前に控えて産休に入ったTBS系「NEWS23」の膳場貴子キャスター(40)の降板騒動が、波紋を広げている。一部スポーツ紙が、「本人から降板の申し入れがあった」とTBS関係者が語ったと報じたことについて3日、膳場氏自身がSNSで「降板申し入れはしておりません」と完全否定。TBSサイドの虚言を膳場氏が断罪する展開になっている。TBSサイドはなぜすぐバレるうそをついたのか? その裏にはある思惑が見えてきた。
膳場氏は11月20日の「NEWS23」の放送を最後に産休入り。同日の放送で「またみなさまの前に戻って、この番組でお目にかかれる日を楽しみにしています」とおなかに手をやりながら、復帰に意欲を見せた。
だが、今回はTBS関係者が一部紙に「膳場アナから『番組に区切りを付けて、育児に専念したい』と申し入れがありました」と語ったと報じられた。これを受けて膳場氏本人が3日、自身のフェイスブックで「責任と愛着を持ってやってきた仕事です。降板申し入れはしておりません。このような誤報を、たいへん残念に思っています」と完全否定したのだ。
冒頭の産休前最後のコメントを見ても「この番組で…」と復帰への意欲を見せていただけに、自ら降板を申し入れたとは考えにくい状況だ。
事情に詳しい関係者は「もともとTBSは膳場さんを降板させたい意向で、すでに両者の間で話し合いが持たれていた」と明かす。背景を探るとTBSが抱える2つの問題点が見えてきた。
「――23」はメーンキャスターだった筑紫哲也さん(享年73)が2008年に死去して以降、視聴率が大幅ダウン。全盛期は10%台だったが、今では4~5%程度をうろうろ。ライバルの「NEWS ZERO」(日本テレビ系)は10%弱をキープしている現状がある。
「TBSは常々、ギャラの高い膳場さんと岸井成格さんを起用しながら、さほど数字が取れない状況に頭を悩ませていた。そこへきて、今回の産休は降板を促す絶好のタイミングと考えた。局側が懇意のメディアを使い、本人が知らされる前に人事を世間に公表して外堀を埋める手法は“新聞辞令”とか“週刊誌辞令”とか呼ばれていますが、膳場さんが激怒するのも当然ですよ」(同)
しかも、自分の意向が無視されたことも膳場氏の怒りを増幅させた。
「膳場さんは育児を考えて渋々、降板を視野に入れ、降板は番組に復帰して自ら発表したい意向だった。それがTBS側からの事実ではない悪質なリークだったことがわかり、相当怒っている。TBSに怒りの連絡を入れたみたいですよ」(同)
2つ目の問題は、番組で解説を担当する毎日新聞特別編集委員・岸井成格氏(71)の処遇だ。
「膳場氏は月350万円、岸井氏は月300万円の出演料といわれていますが、TBS側は2人のダブル降板を画策していた」(テレビ関係者)
岸井氏については、11月14日付の産経新聞、同15日付の読売新聞に「私達は、違法な報道を見逃しません」という意見広告で、名指し批判される騒動があった。
「岸井さんは安保法案の廃案を番組でも訴えてきましたが、広告主には政府に近い人の影も見え、TBSとしても放っておけなかった。ただ、岸井さんだけ降板では権力に屈したのが露骨すぎるから、膳場さんと一緒にダブル降板させて番組一新をうたうことで“岸井降ろし”を隠そうとした。リークしたのもその道筋をつけるためでしょう」と別のテレビ関係者。岸井氏を起用し続ければ、TBSとしてもスポンサー離れを招きかねないため、膳場氏降板を“岸井切り”の隠れみのに利用したかったという。
「早ければ『――23』は来年3月末で打ち切り。約1時間枠を30分ほどの報道番組に短縮し、空いた枠にバラエティー番組を立ち上げる案が浮上している」(関係者)
TBS広報部は、膳場氏の降板報道や本人の否定について「番組の制作過程のことはお答えできません」としている。もはや膳場氏降板は決定事項のようだが、出産をめぐる降板となると「マタニティーハラスメント」に該当する可能性も残るだけに、どう決着するのか見ものだ。
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