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望遠鏡TMT:ハワイ州最高裁、建設許可を無効に

毎日新聞 2015年12月03日 13時03分(最終更新 12月03日 13時56分)

口径30メートルの世界最大の望遠鏡「TMT」の完成予想図=TMT国際天文台提供
口径30メートルの世界最大の望遠鏡「TMT」の完成予想図=TMT国際天文台提供

 AP通信などによると、日米など5カ国が米ハワイ島マウナケア山頂付近に建設する世界最大の望遠鏡「TMT」について、ハワイ州最高裁が2日、建設許可を無効にすると決定した。「山頂付近は神聖な場所」として住民らがTMTの建設に反対していた。2021年度の稼働を目指していたが、計画の大幅な遅れは必至だ。

 ハワイ州土地天然資源局が、建設許可を出す前に反対住民グループの請願を評価する公聴会を開かなかったため、許可無効の判断につながったという。

 計画に参画する国立天文台の渡部潤一教授は「社会的な空気を考慮した判断かもしれないが、残念だ。建設許可の再申請がされると思うが、その後の手続きにどれくらい時間がかかるかは現時点では不明だ」と話した。

 TMTは口径30メートルの主鏡を持つ望遠鏡。今年3月末に本格工事が始まったが、直後に反対住民の抗議行動で工事が中断していた。【須田桃子】

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