2015年12月3日(木)

出社しない、会議に出ない! ネットの寵児の仰天経営論【1】 -対談:カドカワ社長 川上量生×田原総一朗

田原総一朗の「次代への遺言」

PRESIDENT 2015年10月19日号

村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影
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昨年5月、川上量生氏率いるドワンゴは、出版事業を展開するKADOKAWAとの統合を発表した。ニコニコ動画の生みの親であり、角川歴彦会長から「天才」と評される川上氏。彼のアイデアの源はどこにあるのか、迫った。

ライバルはユーチューブ

【田原】僕はニコニコ動画にときどき出させてもらっていますが、ニコ動が目指しているのは何ですか。プラットフォーム? それともコンテンツをつくること?

【川上】あまり考えてませんね。明確な方針は出してないです。

カドカワ社長 川上量生氏

【田原】そうですか。ここに来る前に川上さんの書いた本を読んできたけど、川上さんが何を目指しているのか、ちょっとわからなかった。

【川上】うーん、べつに何かをやろうとしているわけではないです。なかなか信じてもらえないけれど。

【田原】そんなことはないでしょう。現にいろんなことやってるじゃない。

【川上】僕の仕事のスタイルはサラリーマンです。サラリーマンは何かといったら、与えられた仕事をこなすことです。ドワンゴは着メロとニコ動で大きくなった会社なのですが、どちらも僕がやりたいからやったわけじゃない。このままだと会社が潰れるから、何か新しいことをやらなくちゃいけないと必要に迫られてやっただけですよ、ほんとに。

【田原】つまり何か夢があるわけじゃなくて、売れるサービスをつくろうとしただけだと。

【川上】そうです。ニコ動のときは動画生放送で勝負しようと思っていて、その前にテストで動画サービスをつくったら当たってしまった。

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