ヒグマ:北海道生息数1万600頭 これまでの推定上回る
毎日新聞 2015年12月03日 08時51分
◇科学的推定、道議会本会議で答弁
国内では道内だけに生息するヒグマについて、北海道は初めて全道の生息数を科学的に推定し、2012年度に1万600頭だったとする結果を2日の道議会本会議で明らかにした。従来は狩猟者への聞き取りなどから、同年度に推定2200〜6500頭としていた。自民の加藤貴弘氏(札幌市西区)の質問に答えた。
今回の推定は六つの生息地域ごとに実施。1990年以降の雌雄別捕獲数▽出産数と出産間隔▽生存率▽生息密度▽痕跡発見率−−などを基にコンピューターで生息数を推定した。その結果、全道の生息数は、近年で最少だったと見られる90年度以降は増加し、12年度は約1万600頭と約1.8倍になった。
これまでは狩猟者への聞き取りを基に生息数を2回、推定していた。00年度は推定1800〜3600頭、12年度は同2200〜6500頭だったが、科学的手法より過小評価だったと確認された。
道生物多様性保全課によると、ヒグマによる農業被害や市街地に表れる回数と生息数増加は、直接結びつかないという。今回の結果を受け、17年度以降の道ヒグマ保護管理計画に生息地域ごとの捕獲上限数を盛り込み、被害防止と捕獲の両面で管理に取り組む方針だ。【三股智子】