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【群馬】横川駅の転車台 半世紀ぶりに姿 JRが試掘調査
今年開業百三十周年を迎えたJR信越線横川駅構内に蒸気機関車(SL)が走っていたころ設置されていた、機関車の進行方向を変える転車台の試掘調査が行われた。地中から一部が半世紀ぶりに姿を見せた。機関車をグルリと回す機械だが、風情があり当時を知る人には懐かしい。元鉄道マンには復活を期待する人もいる。(樋口聡) 試掘が行われたのは現在、同駅西側に隣接する鉄道のテーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」のバス専用駐車場内。JR東日本高崎支社が、設置場所の確認と概要、構造などを測量調査して記録保存するために実施した。 転車台は、一八八五年の高崎−横川駅間の開通により設置された。片側にしか運転台のない蒸気機関車などの車両を載せて回転させ向きを進行方向に向ける機械。半径約九・五メートルの大きさだったという。 一九六二年に同線が電化され役目を終えた。翌年から、蒸気機関車に石炭を積む石炭台などの撤去とともに埋められ、新たにEF63形電気機関車(通称ロクサン)の留置線が敷設され、九七年の長野新幹線開通後に整備が始まった同文化むらの開業に伴い、同駐車場の下に眠っていた。 今回の試掘の結果、約七十センチの転車台の回転軸部分や幅約九十センチの土台のコンクリートなど、転車台の一部が見つかった。 高崎支社は「転車台の設置場所などが確認できた。調査結果の利用や今後の調査については未定」という。 JR東日本OB会横川支部の会員で、横川駅で石炭台などの撤去にも携わったという茂木誠一さん(84)は「到着電車にいち早くロクサンを連結するためより近いこの場所を留置場所とした」と当時を振り返り感慨深げ。武井義清さん(90)は近年、同線で運行される臨時SL列車について「転車台が無いため気動車に(逆方向に)引かれて戻る姿はいたたまれない感じがする」と蒸気機関車を支えた転車台への愛着を語った。二人は他のOBらとともに新たな転車台の設置を求めている。 PR情報
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