1962年生まれ。創業者の孫。新商品の発売数を絞り込み、重点ブランドを強化。収益力の強化を図った(撮影:的野弘路)
コーセーの代表ブランド、「雪肌精」は今年30周年を迎えました。その間に何度か転機があったようですね。
小林:2000年頃は、売り上げ的にもブランド的にも、もうピークだろうと考えて、新製品もあまり投入しなかったり、新しいお客さんをとる努力も少し希薄になってきたりしていました。一方で、ちょうど親子で使い出している方がいるという話なんかを聞いて、これは世代を超えて広く受け継がれていくブランドになる可能性があるかもしれないと考えたんです。それで、2007年にテレビ宣伝をやろうということを決断したんですね。
それまでは、テレビ宣伝は一切やっていませんでした。雪肌精は、口コミと、化粧品専門店のカウンセリングによって伝わっていった商品です。ただ、90年代からドラッグストアが台頭してきて、広く売られるようになってきました。そういうこともあって、ここはやっぱりマスブランドとして賭けに出てみるべきなんじゃないかと思いました。そこで、松嶋菜々子さんを使ってテレビコマーシャルをやろうということになったんですね。
これが第1回目の起爆剤になりました。
2回目の転機となったのは2012年。何とか若い、新しいお客さんを雪肌精でとれないかと考えました。そのときに、若い世代向けのBBクリームなどの商品を出して、キャラクターを新垣結衣ちゃんに変えました。これで一気に3世代目にぐわっと愛用者が広がったんです。