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靖国神社爆発音:映像の男、韓国へ出国…事件前に入国

毎日新聞 2015年12月03日 07時00分

不審物があった靖国神社敷地内のトイレ=東京都千代田区で2015年11月23日、竹内紀臣撮影
不審物があった靖国神社敷地内のトイレ=東京都千代田区で2015年11月23日、竹内紀臣撮影

 靖国神社(東京都千代田区九段北)の公衆トイレで爆発音が起き不審物が見つかった事件で、爆発音の直後にトイレ付近から立ち去る様子が防犯カメラに映っていた若い男が事件前に入国し、事件後に韓国に出国していたことが、捜査関係者への取材で分かった。トイレの個室からは、金属製のパイプを使った時限式発火装置のようなものが見つかっている。警視庁公安部は男との関連を調べている。【堀智行】

 捜査関係者によると、出国したのは30歳前後の若い男。付近の防犯カメラには、男が爆発音がする約30分前から、袋のようなものを手に、リュックを背負ってトイレの周辺や境内をうろつき、爆発音がした直後に神社から立ち去る様子が映っていた。公安部が防犯カメラの映像を確認したところ、この男が事件前に入国し、直後に出国していたことが分かった。

 爆発音が起きたトイレの個室の天井裏には、結束バンドで束ねられた4本の金属製パイプ(長さ約20センチ、直径3センチ)があり、床にはデジタル式のタイマーのようなものや乾電池が落ちていた。乾電池にはハングルが書かれているものもあった。金属製パイプ4本のうち3本には火薬が燃焼したような跡があり、パイプとタイマーにはそれぞれリード線がついていたことから、公安部は当初は一つにつながっていたとみて、詳しい構造やパイプの内容物を調べていた。

 事件当時、靖国神社では稲の収穫を祝う新嘗祭(にいなめさい)が開かれており、普段より多くの人が参拝に訪れていた。

 靖国神社では、2013年9月、韓国籍の男が放火目的で拝殿にシンナー入りのペットボトルを投げつけたとして建造物侵入や放火予備容疑で逮捕・追送検された。

 11年12月には中国籍の男が、神門の扉にガソリンのような液体をかけ、火をつけたとして警視庁が建造物等以外放火容疑で逮捕状をとり、当時男が服役していた韓国に身柄の引き渡しを求めたが、韓国側は応じていない。

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