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「デザイナー「nendo」の仕事がモテる理由」

セブン&アイ「omni7」を支える「nendo式」

「nendo」佐藤オオキの実戦デザイン

  • 日経デザイン

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2015年12月3日(木)

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 日用品から世界的な高級ブランドまで、進行中のプロジェクトは300にもおよび、グラフィックやプロダクト、インテリアまで実に多彩な仕事をするデザインオフィス「nendo」の代表、佐藤オオキ氏。いまや世界のトップデザイナーの1人として活躍するデザイナーだ。彼らがデザインを通じて提供するのは、格好いいロゴデザインや製品のスタイリングのみと言った表層的なものではない。

 nendoがデザインを使って提供しようとするのは、企業が抱えるさまざまな問題に対する「解決策」だ。デザインは、企業のどのような問題解決に貢献できるのかを、連載を通じて探る。

「未来のサービスの姿」をデザイン

 2015年11月、セブン&アイグループはECサイト「セブンネットショッピング」を刷新し「omni7(オムニ7)」を立ち上げた。同グループには、コンビニやスーパー、百貨店などさまざまな業態があり、これらをネットで統合するという試みだ。

 具体的には、グループ各社が個別に運用していたウェブ上の決済や物流のシステムを一本化。イトーヨーカ堂やそごう・西武、ロフト、赤ちゃん本舗など、セブン&アイグループ各企業が扱う商品を一手に扱う新ECサイトに生まれ変わる。

 オムニ7の指揮を執るセブン&アイ・ホールディングスの鈴木康弘・取締役執行役員 最高情報責任者(CIO)は、「オムニ7は、実店舗とネットに加え、グループ内の業態を融合する意味合いが強い」と強調。「1つのシステムの下で各社の商品やサービスを提供できる仕組みを整えたことで、できることが格段に増えた」(鈴木CIO)とする。

 これまでもネットで購入した商品の受け取りに、国内約1万8000店のセブン-イレブンやイトーヨーカドーの店舗を活用し、強みとしてきたが、新サービスではコンビニでの返品も可能になる。ネットの利用機会が少ない高齢者層の家庭にオムニ7専用端末を持ってコンビニ店員が“御用聞き”に行き、ネットショッピングにつなげる試みも行う。“第2の創業”とも位置付けられるオムニ7によって、2018年度に売上高1兆円の上乗せ効果を見込む。

●オムニセブンのロゴと、その考え方を示した図
一般的な「オムニチャネル」は、実在する店舗(リアル)とネットの融合によるビジネスの相乗効果を求めるが、オムニ7は業態が異なるグループ各社を統合した点に特徴がある。そのロゴをnendoがデザインした

 オムニ7のロゴマークやウェブサイト、スマートフォン用サイトをデザインしたのがnendoだ。しかしnendoが実際にデザインしたものは、こうした顧客の目に留まる部分だけではない。むしろこうしたデザインよりもさらに上流にある、グループ全体のビジネスの「未来絵図」を描き、グループ各社の今後の役割を整理統合するという極めて重要なプロセスにおいて、nendoが果たした役割は大きかったと言う。


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