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最終更新:2015年12月3日(木) 4時58分

化血研 血液製剤問題、「常軌を逸した隠蔽体質」

 製薬メーカーの化血研が、国の承認とは異なる方法で血液製剤を製造していた問題で、化血研の第三者委員会は「20年以上にわたり虚偽の製造記録を作成するなど常軌を逸した隠蔽体質が根付いていた」とする報告書を公表しました。

 この問題は、熊本市にある化血研が添加剤を加えるなど国の承認とは異なる方法で、血液製剤を製造していたものです。化血研の第三者委員会の報告書によりますと、未承認の方法での製造は40年あまり前から始まり、それを隠蔽するため、20年以上前から虚偽の製造記録を作成していたということです。

 隠蔽や不正は組織的に行われ、第三者委員会は「経営トップの指示・承認のもと、極めて悪質な方法で隠し通したもので常軌を逸した隠蔽体質」と指摘しています。

 「心より深くおわび申し上げます」(化血研 宮本誠二 理事長)

 化血研は、「薬害エイズ事件」で血友病患者らから提訴され、その後、和解しましたが、今回の問題を受け、HIV訴訟原告団は「決定的な裏切り」だとして抗議文を手渡しました。

 「承認制度の根幹を揺るがす背信行為なんですね。これ以上ない裏切り」(HIV訴訟 原告団ら)

 厚生労働省は近く、化血研を立ち入り検査した上で、行政処分を出す方針です。(02日23:58)

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