ステマは、ステルスマーケティングの略称。ステルスとは、軍用機やミサイルがレーダーに探知されない軍事技術のことで、「こっそりと」「忍び込む」といった意味合いがある。広告・宣伝だと気付かれないように身元や目的を隠して好印象を与えようとする行為で、以前から「サクラ」「やらせ」などと呼ばれてきた。
様々な形態があるが、2015年に注目されたのはステマニュース。広告主の意を汲んだPR代理店がメディアに金銭を払って、広告主企業の商品・サービスに好意的な記事を書かせ、広告表記を入れずにニュースを装って掲載する。そんなステマ記事が「ヤフー!ニュース」に転載されるケースが常態化していた。
JIAAがガイドラインを策定
金銭の授受を伴う記事であれば、ページ内に「広告」「PR」「提供」「AD」などのクレジット表記を入れるのが業界ルールだ。日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は2015年3月、ネイティブ広告の信頼性確立のため、クレジット表記の在り方などを示したガイドラインを策定した。
「日経デジタルマーケティング」が6月に実施したアンケート調査でも、ネット利用者の多くが記事体広告記事にクレジット表記が必要と回答していて、読者側の関心も高まりつつある。さらに7月、ヤフーが「ステマニュース撲滅」を宣言し、一部Webメディアとニュース提供の契約を打ち切るなど、抑止に向けた取り組みが進んでいる最中だ。