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血液製剤の不正製造を組織的に隠蔽 全役員刷新へ12月3日 6時21分
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熊本の製薬会社、「化血研」=「化学及血清療法研究所」が国の承認とは異なる方法で長年にわたって血液製剤を製造し組織的な隠蔽を図っていた問題で、会社側は「極めて深刻な事態だ」として、理事長の辞任など役員全員を刷新することを明らかにしました。
血液製剤の分野で国内シェアのおよそ3割を占める熊本市の「化血研」は、長期間にわたって12種類の血液製剤を国の承認とは異なる方法で製造していたことが分かっています。さらに、2日公表された第三者委員会の調査報告書で、会社側は不正の発覚を隠そうと幹部の指示で組織的な隠蔽を図っていたことも明らかになりました。
これを受けて「化血研」の宮本誠二理事長が2日夜会見し、「国の承認どおりに製造していないことは私も気づいていたが、見て見ぬふりをしてきた」と話したうえで、「社会的信用が失墜する極めて深刻な事態だ」として2日付けで辞任したことを明らかにしました。
さらに「経営の閉鎖性、独善性、硬直化を防ぎたい」として、ほかの8人の役員も全員、辞任や降格など刷新することにしました。
そのうえで再発防止策としてコンプライアンスの強化や品質管理体制の見直しなどを行うとしています。
一方、厚生労働省も今回の不正を重くみて、近く「化血研」に対し、立ち入り検査を行ったうえで業務改善命令を出すことにしています。
これを受けて「化血研」の宮本誠二理事長が2日夜会見し、「国の承認どおりに製造していないことは私も気づいていたが、見て見ぬふりをしてきた」と話したうえで、「社会的信用が失墜する極めて深刻な事態だ」として2日付けで辞任したことを明らかにしました。
さらに「経営の閉鎖性、独善性、硬直化を防ぎたい」として、ほかの8人の役員も全員、辞任や降格など刷新することにしました。
そのうえで再発防止策としてコンプライアンスの強化や品質管理体制の見直しなどを行うとしています。
一方、厚生労働省も今回の不正を重くみて、近く「化血研」に対し、立ち入り検査を行ったうえで業務改善命令を出すことにしています。
HIV訴訟原告団「許せない」
「化血研」は薬害エイズの被害者が国とともに訴えた5社の製薬会社のひとつで、平成8年に和解が成立していました。
今回の問題を受けて大阪HIV訴訟原告団の花井十伍代表は2日夜、厚生労働省で会見し、「一度、薬害エイズという大きな問題を引き起こしたのに、40年前から国の承認どおりに製造せず、こうした不正を隠していたことは許せない」と話しました。
さらに、「裁判で一緒に闘っていた仲間が亡くなっていくなかで悩んだ末に和解した。そのとき、『安全な医薬品を供給する義務を深く自覚する』とした誓約を交わしていたのに、ずっとだまされていたことになる。非常に悔しく、悲しい思いだ」と厳しく批判しました。
そして会見場で、「化血研」の宮本誠二理事長に抗議文を手渡しました。
今回の問題を受けて大阪HIV訴訟原告団の花井十伍代表は2日夜、厚生労働省で会見し、「一度、薬害エイズという大きな問題を引き起こしたのに、40年前から国の承認どおりに製造せず、こうした不正を隠していたことは許せない」と話しました。
さらに、「裁判で一緒に闘っていた仲間が亡くなっていくなかで悩んだ末に和解した。そのとき、『安全な医薬品を供給する義務を深く自覚する』とした誓約を交わしていたのに、ずっとだまされていたことになる。非常に悔しく、悲しい思いだ」と厳しく批判しました。
そして会見場で、「化血研」の宮本誠二理事長に抗議文を手渡しました。